ラットにおけるD-プシコース急性経口投与および亜慢性投与の影響(p.512-516)

D-プシコース(D-フラクトースのC-3エピマー)の急性経口投与および亜慢性(34日)投与の影響についてラットを用いて検討した. 急性試験において, 3週齢のWistar系雄ラット40匹を5群に分け, 体重1kg当り8, 11, 14, 17および20gのD-プシコースをそれぞれ経口投与した. 投与後2日以内に14, 17および20g/kg投与ラットのうちそれぞれ3, 3および8匹が死亡した. D-プシコースのLD50値はBehrens-Karber法で16.3g/kg, Litchneld-Wilcoxon法で15.8g/kgと算出された. 亜慢性試験において, 3週齢のWistar系雄ラッ...

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Published in日本栄養・食糧学会誌 Vol. 56; no. 2; pp. 146 - 147
Main Authors 松尾達博, 田中智寛, 橋口峰雄, 何森健, 鈴木博雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養・食糧学会 2003
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ISSN0287-3516

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Summary:D-プシコース(D-フラクトースのC-3エピマー)の急性経口投与および亜慢性(34日)投与の影響についてラットを用いて検討した. 急性試験において, 3週齢のWistar系雄ラット40匹を5群に分け, 体重1kg当り8, 11, 14, 17および20gのD-プシコースをそれぞれ経口投与した. 投与後2日以内に14, 17および20g/kg投与ラットのうちそれぞれ3, 3および8匹が死亡した. D-プシコースのLD50値はBehrens-Karber法で16.3g/kg, Litchneld-Wilcoxon法で15.8g/kgと算出された. 亜慢性試験において, 3週齢のWistar系雄ラット56匹を7群に分け, 0(対照群), 10, 20, 30および40%のD-プシコースで調製した餌を34日間与えた. 実験期間中に30%群で1匹, 40%群で5匹のラットが死亡した. 体重増加量, 食餌摂取量および食餌効率は, 高D-プシコース食群ほど顕著に抑制された. 心臓, 脾臓および腹腔内脂肪組織重量は高D-プシコース食群ほど小さかった. 一方, 盲腸重量は高D-プシコース食群ほど大きく, 10-40%群で盲腸肥大がみられた. これらの結果から, D-プシコースはD-グルコースやD-フラクトースなどの単糖とは異なる性質を持つことが示唆された. 多量のD-プシコース摂取は消化管に悪影響を及ぼす可能性がある.
ISSN:0287-3516