コレステロール負荷ラットにおけるクロレラ(chlorella regularis)難消化性画分の血清コレステロール低下作用(p.373-377)

5g/kgコレステロールと2.5g/kgコール酸ナトリウム負荷ラットにおいて, クロレラ(Chlorella regularis)粉末(CP)とその難消化性画分(CIF)が, 血清, 肝臓脂質および糞中ステロイド排泄に及ぼす影響について検討した. CP12.7%, CIF5.3%摂取は, 摂食や成長に影響を及ぼさなかった. CPとCIFは血清コレステロールを低下させたが, 血清トリグリセライドとリン脂質には影響を及ぼさなかった. CP, CIF群の肝臓コレステロール量は対照群よりも低かったが, 肝臓トリグリセライドには影響を及ぼさなかった. CP, CIFは中性ステロールの排泄を増大させたが,...

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Published in日本栄養・食糧学会誌 Vol. 55; no. 1; p. 53
Main Authors 柴田慎也, 織田邦明, 増岡小野寺範江, 松原智史, 早川菊池弘子, 石川文保, 岩淵明, 三沢宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養・食糧学会 2002
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ISSN0287-3516

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Summary:5g/kgコレステロールと2.5g/kgコール酸ナトリウム負荷ラットにおいて, クロレラ(Chlorella regularis)粉末(CP)とその難消化性画分(CIF)が, 血清, 肝臓脂質および糞中ステロイド排泄に及ぼす影響について検討した. CP12.7%, CIF5.3%摂取は, 摂食や成長に影響を及ぼさなかった. CPとCIFは血清コレステロールを低下させたが, 血清トリグリセライドとリン脂質には影響を及ぼさなかった. CP, CIF群の肝臓コレステロール量は対照群よりも低かったが, 肝臓トリグリセライドには影響を及ぼさなかった. CP, CIFは中性ステロールの排泄を増大させたが, 胆汁酸排泄には変化を及ぼさなかった. しかしながら, CP, CIFを投与したラットにおける糞便中の水溶性胆汁酸濃度は対照群よりも低下していた. さらに, CP, CIFはin vitroにおいて, 高い胆汁酸吸着能を有していた. これらの結果より, CIFは血清コレステロール低下作用を持ち, 糞便中の水溶性胆汁酸濃度を低下させるとともに, 中性ステロールの排泄を促進するものと示唆された.
ISSN:0287-3516