Note C3H/Heマウスにおける自然発生肝臓腫瘍の形成に対するオリーブ,サフラワー,およびアマニ油食の影響の比較(p.363-366)

自然発生肝臓腫瘍が好形成の雄C3H/Heマウス(体重約20g, 5週齢)において, 肝臓腫瘍の形成, 血漿および肝臓の総コレステロール(T-CHOL), トリアシルグリセロール(TG)および過酸化脂質の濃度ならびにアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の活性に及ぼす, 50週間オリーブ油(OLI), サフラワー油(SAF)またはアマニ油(LIS)食の投与の影響についてそれら食油間で比較検討した. 体重および肝臓重量は群間で差はなかった. 肝臓アデノーマの形成は, SAF群で最も高く, つづいてLIS群, OLI群で最も低かった. 肝臓カ...

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Published in日本栄養・食糧学会誌 Vol. 54; no. 6; p. 373
Main Authors グェンティトゥトゥイ, 何普明, 竹内久直
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養・食糧学会 2001
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Summary:自然発生肝臓腫瘍が好形成の雄C3H/Heマウス(体重約20g, 5週齢)において, 肝臓腫瘍の形成, 血漿および肝臓の総コレステロール(T-CHOL), トリアシルグリセロール(TG)および過酸化脂質の濃度ならびにアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の活性に及ぼす, 50週間オリーブ油(OLI), サフラワー油(SAF)またはアマニ油(LIS)食の投与の影響についてそれら食油間で比較検討した. 体重および肝臓重量は群間で差はなかった. 肝臓アデノーマの形成は, SAF群で最も高く, つづいてLIS群, OLI群で最も低かった. 肝臓カルシノーマの形成はSAF群で観察されたが, OLIおよびLIS群ではみられなかった. 血漿および肝臓のT-CHOL濃度はOLI群で他群より高く, TG濃度はLIS, SAF, OLI群の順に高くなった. 血漿および肝臓の過酸化脂質量は, LIS群が最高で, SAF群で中間, OLI群で最低であった. 血漿ASTおよびALTの活性はLIS, SAF, OLIの順に高かった. 以上の結果から, 50週間飼育した雄C3H/Heマウスにおける自然発生肝臓腫瘍の形成は, 血漿および肝臓のT-CHOL, TG, および過酸化脂質の濃度ならびに血漿GOTおよびGPTの活性とは直接的な相互関係はなく, SAF群に比較してOLIおよびLIS群で抑制されることが示唆された.
ISSN:0287-3516