Terminal warm blood cardioplegiaの注入方法に関する研究 - 37℃ blood vs. 37℃ blood cardioplegia
「要旨」Terminal warm blood cardioplegia(通称Hot shot)は大動脈遮断解除前に数分間注入し, 心機能の回復を促進することを目的に行われてきた. 心筋保護液が国内において多岐にわたっているが, Hot shotについても原法から少し異なる方法で行われていることがあり, 当院においても37℃血液のみで行われている症例と37℃心筋保護液で行われている症例が確認された. 2015年1月から2023年2月までにHot shotを行った症例を37℃ bloodと37℃ blood cardioplegiaの2群に分けて後方視的に検討した. ペーシング施行率には差がなか...
Saved in:
Published in | 体外循環技術 Vol. 50; no. 4; pp. 439 - 443 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.12.2023
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「要旨」Terminal warm blood cardioplegia(通称Hot shot)は大動脈遮断解除前に数分間注入し, 心機能の回復を促進することを目的に行われてきた. 心筋保護液が国内において多岐にわたっているが, Hot shotについても原法から少し異なる方法で行われていることがあり, 当院においても37℃血液のみで行われている症例と37℃心筋保護液で行われている症例が確認された. 2015年1月から2023年2月までにHot shotを行った症例を37℃ bloodと37℃ blood cardioplegiaの2群に分けて後方視的に検討した. ペーシング施行率には差がなかったが, 除細動施行率, CKMB(ICU帰室時, IPOD)は37℃ blood cardioplegia群が有意に低値であった. 術後経過として, ICU滞在日数, 手術死亡に両群間の差はなかった. Hot shotに関するこれまでの研究ではその効果は一貫しておらず, Hot shotを支持するエビデンスは限定的であると報告されていた. 今回の検討においてもその効果については, 一部ではあるものの, 原法通りに高カリウムにて心臓を止めたまま注入する方法が, 大動脈遮断解除後の経過を安定させていることを確認できた. |
---|---|
ISSN: | 0912-2664 |