指定-3. PCPS業務における安全管理

【目的】当院のPCPS管理は24時間体制で行っている. 様々な症例に対してPCPSを使用しているが, 当院のPCPS業務に対する管理や, 業務内容について検討し, 現状における課題について報告する. 【方法】当院のPCPS装置は, テルモ社製キャピオックスを3台保有しており, 中央手術部・心臓カテーテル室・救命救急センターに設置している. PCPS回路はテルモ標準回路(熱交換器付き)である. PCPS施行時はPCPS設定用紙を使用し, 始業時・使用中の設定変更時の記録を行っている. また, 臨床工学技士の勤務体制は, 8:00~16:10までが日勤業務で, 宿直者は8:00から翌日12:00ま...

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Published in体外循環技術 Vol. 38; no. 4; p. 578
Main Authors 小林英知, 朝日亨, 佐藤洋平, 五十嵐雅史, 服部敏温
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 2011
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Summary:【目的】当院のPCPS管理は24時間体制で行っている. 様々な症例に対してPCPSを使用しているが, 当院のPCPS業務に対する管理や, 業務内容について検討し, 現状における課題について報告する. 【方法】当院のPCPS装置は, テルモ社製キャピオックスを3台保有しており, 中央手術部・心臓カテーテル室・救命救急センターに設置している. PCPS回路はテルモ標準回路(熱交換器付き)である. PCPS施行時はPCPS設定用紙を使用し, 始業時・使用中の設定変更時の記録を行っている. また, 臨床工学技士の勤務体制は, 8:00~16:10までが日勤業務で, 宿直者は8:00から翌日12:00まで勤務を行っている. 臨床工学部は前年度まで12名の臨床工学技士と2名の技術員であったが, 今年度より, 夜勤体制を考慮して3名増員した. 宿直を無くし, 当直者が16:00~翌日8:00となるように3名増員して指導および教育を行っているところである. 【考察】PCPS業務は定時の手術において使用する以外は緊急性が高く, 迅速な対応が求められることが多い. 夜勤体制は, 緊急PCI時の急変時や, 心肺停止患者の蘇生目的に早急な対応が可能である. しかし, 現状の宿直では, 夜間にPCPSを施行した場合, 操作者は朝からの勤務で疲れを伴い, インシデントやアクシデント事例を招く恐れがあるため, 体力的な負担を軽減するためにも夜勤体制が望まれる. また, 当直者全員がPCPS導入に対応できるよう装置および回路の保管場所の把握, プライミングから操作までのトレーニングも重要である. また, 人工心肺使用時は開始前にチェックリストを使用しているが, PCPS使用時のチェックリストがないことも問題と考える. 【結論】夜勤体制によって, より安全なPCPS業務の対応が可能になると考える. PCPS業務に必要な知識と技術の修練, PCPSチェックリストの作成によって, 更に安全なPCPS管理を確立していきたい.
ISSN:0912-2664