O-17-1 安全性を重視した成人・小児人工心肺システムレイアウトの工夫
【はじめに】 小児は成人と異なった生理的・解剖学的特性をもっており, 体外循環と生体との関係は成人と異なる. 小児は成人症例に比べて対象が小さいことに加え, 心機能のみならず肺機能, 肝機能, 腎機能が未熟であることなど特有の問題点があり, 体外循環法も異なってくる. 当院の小児心臓手術の人工心肺症例は少ないため, 誤操作防止として成人と小児の人工心肺のレイアウトを同様にする工夫をしている. 【対象期間】 2006年8月から2010年5月までの人工心肺使用症例. 成人308症例, 小児39症例(10kg以下31症例). 【方法】 人工心肺装置はTerumo社製APS-1. 小児は1/4 in...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 37; no. 3; p. 323 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
2010
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ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 【はじめに】 小児は成人と異なった生理的・解剖学的特性をもっており, 体外循環と生体との関係は成人と異なる. 小児は成人症例に比べて対象が小さいことに加え, 心機能のみならず肺機能, 肝機能, 腎機能が未熟であることなど特有の問題点があり, 体外循環法も異なってくる. 当院の小児心臓手術の人工心肺症例は少ないため, 誤操作防止として成人と小児の人工心肺のレイアウトを同様にする工夫をしている. 【対象期間】 2006年8月から2010年5月までの人工心肺使用症例. 成人308症例, 小児39症例(10kg以下31症例). 【方法】 人工心肺装置はTerumo社製APS-1. 小児は1/4 in チューブ, 成人は3/8 in チューブを基本回路とし, 全例落差脱血, 遠心ポンプ送血で行い, 人工肺, 送血ポンプはTerumo社製を使用し, ECUMも施行している. 日本体外循環技術医学会勧告の安全装置設置基準を遵守して回路を構成し, 連続血液パラメーターモニタも使用している. プライミングボリュームは成人1,250mL, 小児400mL. また, 並列時も同様なシステムで行えるように, 人工心肺装置, 冷温水循環装置なども同機種を使用している. 【結果】 体外循環主操作者は3名(体外循環認定士2名), その内小児体外循環主操作者は1名で行っていた. 昨年より認定士を持たない体外循環主操作者が成人60症例経験後, 小児体外循環を10症例経験したが, トラブルなく安全に体外循環を行うことができた. 【考察】 小児人工心肺症例が少ないため, 成人と小児の人工心肺レイアウトが異なると操作の安全性を確保することが難しい. しかし, 人工心肺レイアウトの工夫を行うことにより, 成人症例と同様の感覚で操作を行うことができる. 【結語】 人工心肺システムレイアウトの工夫は有用であった. 更なるシステムの工夫, 知識・技術を磨き, より安全な体外循環を行いたい. |
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ISSN: | 0912-2664 |