O-2-1 当センターの小児補助循環の現状と課題
【目的】 当センターの小児補助循環の管理方法と, その問題点, 今後の課題などについて検討したので報告する. 【対象】 2007年6月~2009年12月までの10症例. 生後2日~1歳. 体重2.42~6.86kg(平均:4.08±1.67kg). 症例内訳は左心低形成症候群4例, Ebstein症候群2例, 総肺静脈還流異常症1例, 単心室症1例, 左冠動脈閉鎖症1例, 完全大血管転位症1例. 【仕様・方法】 回路はテルモ社製エマセブ(埼玉医大小児用カスタムパック). 人工肺はSX-10(熱交換器付), 遠心ポンプはCX-SP45H. 充填は, 導入がCPBからの移行の場合にはCPB循環血液...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 37; no. 3; p. 267 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
2010
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ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 【目的】 当センターの小児補助循環の管理方法と, その問題点, 今後の課題などについて検討したので報告する. 【対象】 2007年6月~2009年12月までの10症例. 生後2日~1歳. 体重2.42~6.86kg(平均:4.08±1.67kg). 症例内訳は左心低形成症候群4例, Ebstein症候群2例, 総肺静脈還流異常症1例, 単心室症1例, 左冠動脈閉鎖症1例, 完全大血管転位症1例. 【仕様・方法】 回路はテルモ社製エマセブ(埼玉医大小児用カスタムパック). 人工肺はSX-10(熱交換器付), 遠心ポンプはCX-SP45H. 充填は, 導入がCPBからの移行の場合にはCPB循環血液を, 病棟の場合には濃厚赤血球を洗浄するか, より緊急を要する場合にはリンゲル液を用いる. 遠心ポンプ・人工肺への血流量増加目的にA-Vシャントを設け血液を再循環させ, 送血回路をオクルーダーで圧閉することで実送血流量を調整する. 【結果】 全例術後(CPB離脱困難1例, 離脱後手術室2例, ICU帰室後7例)の導入. 平均補助時間:126.5時間. 回路交換を要した症例は3例で, 交換頻度は平均92.48時間(3.85日)/回路. 目視で溶血尿が確認されると交換を実施したが, LDHとI-Bil値が交換前に上昇, 交換後に低下する相関がみられた. 低流量補助のため, ガスブレンダー性能の限界からPaCO2調整困難であった2例について(安定期平均V/Q:0.27, 平均PaCO2:29.26mmHg), ガス吹送ラインの途中にCO2ガスを混合するラインを組み込んだところ(CO2:10~20mL/min添加), 平均PaCO2:38.08mmHgに調整可能であった. 【考察・結語】 遠心ポンプは血液損傷が少ないとされるが, カニューレや血管径の細さにより過陰圧の影響が大きくなることや, 抗凝固管理不十分の場合には, ポンプ軸部の熱の発生などが血栓形成を助長することもあり, 溶血の原因になると考える. その対策として, ローラーポンプによるシステムの導入も検討している. また, 良好なPaCO2調整のため, 3種混合ガスブレンダーを導入した. 使用の機会を控えている. |
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ISSN: | 0912-2664 |