N6-6 当院での体重10kg台の体外循環の現状―新しい小児用人工肺導入にあたって

【はじめに】JMS社製oxia ic導入にあたって, 当院の臨床使用経験とともに体重10Kg台の体外循環の現状を報告する. 【対象】体重10.0~19.9kgの先天性心疾患開心術症例【体外循環方法】送血・脱血・ベントカニューレはそれぞれ, スタッカート製A-272-3.0~4.0N・東洋紡社製TWN-16~20Fr・東洋紡社製VCKN-10~14Frを使用. 人工心肺回路は榊原式SS回路(血流量1.5L/min以下, 充填量190ml)・S回路(血流量1.5~2.0L/min, 充填量210ml)を使用. 目標灌流量は2.5~3.0L/min/m2としている. 原則的に無輸血充填であるが, 執...

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Published in体外循環技術 Vol. 35; no. 3; p. 304
Main Authors 山田春海, 石曾根明浩, 田辺克也, 佐藤耕一, 山田将志, 山下雄作, 大竹純, 曽根真一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 2008
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Summary:【はじめに】JMS社製oxia ic導入にあたって, 当院の臨床使用経験とともに体重10Kg台の体外循環の現状を報告する. 【対象】体重10.0~19.9kgの先天性心疾患開心術症例【体外循環方法】送血・脱血・ベントカニューレはそれぞれ, スタッカート製A-272-3.0~4.0N・東洋紡社製TWN-16~20Fr・東洋紡社製VCKN-10~14Frを使用. 人工心肺回路は榊原式SS回路(血流量1.5L/min以下, 充填量190ml)・S回路(血流量1.5~2.0L/min, 充填量210ml)を使用. 目標灌流量は2.5~3.0L/min/m2としている. 原則的に無輸血充填であるが, 執刀医の指示により輸血充填を行う. 体外循環中のモニタリングにはSvO2・脳内局所酸素飽和度なども用い, 温度・灌流量を調節している. 2008年5月現在oxia icを使用した45例中データをとった21例の結果を以下に示す. 【結果】年齢2.3±1.5, 体重12.4±2.4kgであった. 体外循環中の平均血流量・灌流圧・送血圧・人工肺手前圧はそれぞれ1.4±0.2L/min・56±37mmHg・230±37mmHg・293±47mmHgであった. またPO2・PCO2・SvO2はそれぞれ426±100mmHg・28±4mmHg・73±7%であった. 【考察・結語】これまで当院では体重12.9kg以下ではRX-05を, 13.0~19.9kgではBio cubu2000を使用してきた. oxia ic導入により現在では体重9.9kg以下でRX-05を, 10kg台でoxia icを, その内15.0~19.9kgではBio cubu2000を併用して使用することになった. このように2~3種の人工肺を使用する利点として, 1種の人工肺に何らかのトラブルが起こった場合, 他の人工肺によりバックアップができるという役割が大きい. またoxia icは, 当院の従来の回路のレイアウトを変更することなく使用でき, 1.5L/min以上の血流領域でも良好なガス交換能, 圧力データが得られことから, 今までの人工肺と比べても遜色なく使用できるといえる.
ISSN:0912-2664