P2-2 極低出生体重児の1例
【目的】当施設で2007年1月に行った極低出生体重児の体外循環方法について報告する. 【対象】術前診断Transposition of the great arteries(TGA I), 生下時体重1146g, 手術時1103gの極低出生体重児症例. 【方法】右房2本脱血(東洋紡フレックスメイト10Fr直と12Fr曲), 大動脈弓部送血(JMS大動脈カニューラ2.1mm)で人工心肺を開始. 落差脱血のみで良好な灌流量が得られた. 右側左房からベント(8Fr)挿入(後に抜去). 大動脈遮断, antegrade cold blood cardioplegia(2:1)を手押しで注入し心停止を得...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 35; no. 3; p. 280 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
2008
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 【目的】当施設で2007年1月に行った極低出生体重児の体外循環方法について報告する. 【対象】術前診断Transposition of the great arteries(TGA I), 生下時体重1146g, 手術時1103gの極低出生体重児症例. 【方法】右房2本脱血(東洋紡フレックスメイト10Fr直と12Fr曲), 大動脈弓部送血(JMS大動脈カニューラ2.1mm)で人工心肺を開始. 落差脱血のみで良好な灌流量が得られた. 右側左房からベント(8Fr)挿入(後に抜去). 大動脈遮断, antegrade cold blood cardioplegia(2:1)を手押しで注入し心停止を得た. 右房切開, coronary sinusにretrograde coronary sinus cannula(DLP社製RCSPカニューレ6Fr)を挿入. (2回目からretorograde cardioplegia)卵円孔から左房に向けてベント(10Fr)挿入した. ※術式は省略 温度は直腸温度が25℃になるまで冷却, 灌流量は150~200ml/min/kg前後にて, 灌流圧30~40mmHg, SvO2 80~90%以上を維持できた. 人工心肺中はDUFを施行. Pump Run time 193min, Total perfusion time 115min, Aorta cross clamp time 90minにて手術終了. 人工心肺離脱も容易だった. 人工人肺回路構成 泉工医科製回路 人工肺:キャピオックス CX-RX05RE(BABY-RX)を使用. 総充填量320ml. 【考察】当施設では2007年12月までに上記を含め5例の極低体重児(2000g以下)の人工心肺を施行している. 落差脱血を主として人工心肺を施行しているが, 全例良好な脱血, 灌流量が得られた. 【結論】特別な仕様, 方法を用いなくとも極低出生体重児の人工心肺を施行することは可能であると考える. |
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ISSN: | 0912-2664 |