N7-1 小児補助循環回路における血液充填方法の工夫 --小児用エマセブRについて
【目的】小児領域における補助循環の長期管理にはテルモ社製小児用エマセブRを使用している. 充填量は260mLで, 低体重の症例では回路交換時に血液充填を必要とする. 今回, 血液充填方法について新しい方法を考案し, 従来の方法と比較した結果, 良好なデータが得られたので報告する. 【従来の充填方法】始めに, リザーバーと血液濃縮器で血液洗浄専用回路を組み立て, そこに濃厚赤血球2単位と乳酸リンゲル液500mL, 5%アルブミン製剤250mLを充填し, 混合しながら濃縮する. 電解質補正を行い血液バックに採取する. 次に小児用エマセブRを乳酸リンゲル液で充填し, その後, 血液バックの洗浄血液で...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 33; no. 3; p. 317 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
2006
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ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 【目的】小児領域における補助循環の長期管理にはテルモ社製小児用エマセブRを使用している. 充填量は260mLで, 低体重の症例では回路交換時に血液充填を必要とする. 今回, 血液充填方法について新しい方法を考案し, 従来の方法と比較した結果, 良好なデータが得られたので報告する. 【従来の充填方法】始めに, リザーバーと血液濃縮器で血液洗浄専用回路を組み立て, そこに濃厚赤血球2単位と乳酸リンゲル液500mL, 5%アルブミン製剤250mLを充填し, 混合しながら濃縮する. 電解質補正を行い血液バックに採取する. 次に小児用エマセブRを乳酸リンゲル液で充填し, その後, 血液バックの洗浄血液で置換する. 【新しい充填方法】従来の充填方法のリザーバーの代用として小児用エマセブRを用い, その陽圧側と陰圧側に血液濃縮器を組み込み, 乳酸リンゲル液で充填する. その後, 除水と同時に濃厚赤血球2単位と5%アルブミン製剤250mLで置換する. 最後に重炭酸補正済みの酢酸リンゲル液750mLで洗浄と補正を同時に行う. 【結果】準備時間は従来の方法と比べ約20分短縮できたにもかかわらず, 同等の洗浄効果が得られた. また, 血液充填回路のヘモグロピン濃度は約10g/dLから約13g/dLへと上昇した. 更に, リザーバーの費用3,9800円が削減できた. 【考察, 結語】新しい血液充填方法では回路が簡素化され, 濃厚赤血球の失血防止とコスト削減に繋がった. 更に血液洗浄と電解質補正も簡略化され, 準備時間の短縮が可能となった. |
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ISSN: | 0912-2664 |