17 膜型人工肺の臨床的性能評価

【目的】Edwards Lifesciences社製人工肺Safe Maxiを使用する機会を得たので, 当院で使用しているソーリン社製人工肺D903AVANTと比較検討した. 【対象】2004年9月から2005年4月までの体外循環症例中, Edwards Lifesciences社製人工肺Safe Maxiを使用した8例(S群)とソーリン社製人工肺D903AVANTを使用した6例(D群)である. 両群とも静脈リザーバとセットで使用した. 両群の背景因子である身長, 体重, 体外循環時間, 大動脈遮断時間に有意差はなかった. 【方法】血液学的検討は, 白血球, 血小板, C3, C4, CH50...

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Published in体外循環技術 Vol. 32; no. 3; p. 327
Main Authors 菊地一智, 砂山篤志, 竹内千尋, 佐藤広樹, 海老子貴弘, 三輪貴史, 荒道昭男, 川村英喜, 馬場雅人, 佐々木孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術研究会 2005
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Summary:【目的】Edwards Lifesciences社製人工肺Safe Maxiを使用する機会を得たので, 当院で使用しているソーリン社製人工肺D903AVANTと比較検討した. 【対象】2004年9月から2005年4月までの体外循環症例中, Edwards Lifesciences社製人工肺Safe Maxiを使用した8例(S群)とソーリン社製人工肺D903AVANTを使用した6例(D群)である. 両群とも静脈リザーバとセットで使用した. 両群の背景因子である身長, 体重, 体外循環時間, 大動脈遮断時間に有意差はなかった. 【方法】血液学的検討は, 白血球, 血小板, C3, C4, CH50について測定を行った. ガス交換能は有効肺血流比(Qp/Qt), 炭酸ガス較差分圧比(△CO2/PaCO2)を検討した. 更に, 熱交換効率, 体外循環後の人工肺内部を電子顕微鏡で観察した. 【結果】血液学的, ガス交換能, 熱交換効率, 電子顕微鏡のすべてにおいて両群間に有意差を認めなかった. Safe Maxiはプライミング時アルブミン製剤の量を注意しなければ気泡除去が困難になる. しかし, リザーバにおいては, 乱流が少なく低レベルでも安定していた. 【結論】Safe MaxiとD903AVANTの人工肺比較を行った. すべての検討結果では有意差がなく, 臨床上問題なく使用できる人工肺と考えられた. ただし, Safe Maxiはプライミング時にアルブミン製剤の量を調整しなければならず緊急時は注意が必要である.
ISSN:0912-2664