2 新生児・乳児用膜型人工肺の臨床使用経験-BABY-RXとα-CUBE2000の比較
【目的】今回, TERUMO社製新生児, 乳児用膜型人工肺CAPIOX BABY-RXを臨床使用する機会を得たので, 現在使用しているDIC-Edwards膜型人工肺α-CUBE2000, DIDECO静脈リザーバD754と比較検討したので報告する. 【対象】2002年5月から2003年3月までに行った開心術症例のうち, 体重8kgから12kgでBABY-RXを使用した9例(RX群)とα-CUBE2000, D754を使用した9例(α群)を対象とした. 人工心肺回路は両群ともJMS社製を使用した. 対象症例の年齢, 体重, 体外循環時間, 大動脈遮断時間は両群間で有意差を認めなかった. 【方法...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 30; no. 3; p. 223 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術研究会
2003
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ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 【目的】今回, TERUMO社製新生児, 乳児用膜型人工肺CAPIOX BABY-RXを臨床使用する機会を得たので, 現在使用しているDIC-Edwards膜型人工肺α-CUBE2000, DIDECO静脈リザーバD754と比較検討したので報告する. 【対象】2002年5月から2003年3月までに行った開心術症例のうち, 体重8kgから12kgでBABY-RXを使用した9例(RX群)とα-CUBE2000, D754を使用した9例(α群)を対象とした. 人工心肺回路は両群ともJMS社製を使用した. 対象症例の年齢, 体重, 体外循環時間, 大動脈遮断時間は両群間で有意差を認めなかった. 【方法】ガス交換能はFiO21.0, V/QLOで体外循環を開始し, 5分後にリザーバ流入部と人工肺流出部で採血し, 有効肺血流量率(Qp/Qs), 炭酸ガス較差分圧比(CO2/PaCO2)を比較した. PaO2, PaCO2, FiO2, V/Qは体外循環開始直後, 冷却中, 体外循環終了直前の3点で, Ht, 白血球数, 血小板数は体外循環開始5分, 30分, 以降30分ごと, 体外循環終了直前で測定した. 人工肺, 静脈リザーバについて充填量, 初期充填時リザーバレベルを比較検討した. 【結果】Qp/Qt, CO2/PaCO2は両群間で有意差を認めなかった. PaO2, PaCO2, FiO2, V/Qは3点とも両群間で有意差を認めなかった. Htは体外循環開始から終了直前まですべてRX群がα群より有意に高かった. 白血球数, 血小板数は両群間に有意差を認めなかった. 充填量はRX群263±17mL, α群389±14mLとRX群がα群より有意に少なかった. 初期充填量リザーバレベルはRX群で少なくでき, 体外循環中も安定しており操作性に優れていた. 【結論】BABY-RX使用により充填量の削減ができ, Htを高く維持できた. ガス交換能において臨床使用上十分な性能があると考えられた. |
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ISSN: | 0912-2664 |