B-3-3. 口蓋裂言語検査(言語臨床用)試案

【はじめに】日本コミュニケーション障害学会は口蓋裂の言語臨床の質的向上と患者のQOLに貢献することを目的に, 2004年度に口蓋裂言語委員会を発足させた. 今回, 各施設で共通に使用できる口蓋裂言語検査(言語臨床用)試案を作成した. 【作成の目的】術後の言語指導は医療機関, 保健, 福祉, 教育などの領域で行われ, 施設により評価方法もさまざまである. どの施設でも共通に使用できる, 簡便に実施できる, 検査後の方針がたてられる, 他機関と情報交換ができることなどを目的とした. 【作成の経過】日本音声言語医学会口蓋裂言語小委員会が1993年に作成した「鼻咽腔閉鎖機能検査」を参考に, 委員の施設...

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Published inコミュニケーション障害学 Vol. 23; no. 3; p. 234
Main Authors 三浦真弓, 加藤正子, 峪道代, 大平章子, 北野市子, 木村智江, 佐藤亜紀子, 竹下圭子, 山下夕香里, 岡崎恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本コミュニケーション障害学会 2006
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Summary:【はじめに】日本コミュニケーション障害学会は口蓋裂の言語臨床の質的向上と患者のQOLに貢献することを目的に, 2004年度に口蓋裂言語委員会を発足させた. 今回, 各施設で共通に使用できる口蓋裂言語検査(言語臨床用)試案を作成した. 【作成の目的】術後の言語指導は医療機関, 保健, 福祉, 教育などの領域で行われ, 施設により評価方法もさまざまである. どの施設でも共通に使用できる, 簡便に実施できる, 検査後の方針がたてられる, 他機関と情報交換ができることなどを目的とした. 【作成の経過】日本音声言語医学会口蓋裂言語小委員会が1993年に作成した「鼻咽腔閉鎖機能検査」を参考に, 委員の施設で使用している検査を持ちより検討し第1案を作成した. これを全国の口蓋裂症例の経験の多い言語聴覚士に使用してもらい妥当性についてアンケート調査を行った. この調査からの意見も取り入れて修正したものが本試案である. 【検査の枠組み】記録用紙, 検査用紙, 手引き, 解説ビデオから構成される. 記録用紙には基本情報と経年的記録, 検査用紙には鼻咽腔閉鎖機能検査の結果とまとめを記載する. 手引きには検査方法と評価基準を解説する. 解説ビデオには検査に習熟するための手順を具体的に解説する. 【鼻咽腔閉鎖機能について】本検査では鼻咽腔閉鎖機能を音声言語とブローイングの結果で評価し, 口腔内の評価は参考資料とする. 音声言語は開鼻声, 呼気鼻漏出による子音の歪みを聴覚印象で評価し, 4段階で判定する. ブローイング時の呼気鼻漏出を鼻息鏡で測定し, 3段階で判定する. 鼻咽腔閉鎖機能の判定は開鼻声, 呼気鼻漏出による子音の歪み, ブローイング時の呼気鼻漏出の程度に基づいて, 良好, ごく軽度不全, 軽度不全, 不全の4段階で行う.
ISSN:1347-8451