P-28)市販の検査装置を組み合わせて作製した総合発声機能検査装置の開発とその有用性
目的:音声機能の評価には聴覚的印象評価, 音域や話声位の測定, 最長発声持続時間の測定を行うが, 測定には経験を要し, 主観的要因も入るため, 音声障害の治療効果判定, 経過観察のためには, 測定が容易でかつ, 客観的な評価が行える検査が必要である. 特に, 呼気流が声帯振動へ変換される効率を調べる空気力学的検査, 音声の音響学的検査が重要であるが, 市販されている発声機能検査装置は主に空気力学的検査を行うもので, 高額であるため, 一般には普及していない. 今回私たちは, 市販の機器を組み合わせて低コストに抑えつつ, 上記の両者の評価を可能とした総合発声機能検査装置を作製した. 方法:空気力...
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 7; no. 4; p. 213 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2011
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ISSN | 1349-8975 |
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Summary: | 目的:音声機能の評価には聴覚的印象評価, 音域や話声位の測定, 最長発声持続時間の測定を行うが, 測定には経験を要し, 主観的要因も入るため, 音声障害の治療効果判定, 経過観察のためには, 測定が容易でかつ, 客観的な評価が行える検査が必要である. 特に, 呼気流が声帯振動へ変換される効率を調べる空気力学的検査, 音声の音響学的検査が重要であるが, 市販されている発声機能検査装置は主に空気力学的検査を行うもので, 高額であるため, 一般には普及していない. 今回私たちは, 市販の機器を組み合わせて低コストに抑えつつ, 上記の両者の評価を可能とした総合発声機能検査装置を作製した. 方法:空気力学的検査は小型呼吸機能検査装置と, ストップウオッチ, ノーズクリップを, 音響学的検査は音響分析ソフトと, 小型マイク, 電子オルガンを用いた. マイクスタンドは点滴スタンドを加工し, ノートPCおよび周辺機器を載せるラックは, 病棟で不要になったものを再利用した. 結果:測定は聴力検査室内で行った. 取り込まれた音声信号にはノイズの混入がほとんどなく, 目的とする検査項目につき良好な解析が行えた. 考察:今回作製した総合音声機能検査装置により, 声帯振動を観察するストロボスコピーとともに質の高い音声機能評価を行うことが可能となった. 高いコストパフォーマンスが得られる本検査装置の開発は, アクションプラン21を推進する上でも好ましいと思われた. |
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ISSN: | 1349-8975 |