P-21)女性高血圧症患者の尿中白血球数と血圧日内変動の関連性

目的:尿中白血球数増加は高齢女性や糖尿病患者に認めるが, 臨床的意義は不明である. 今回, 女性高血圧症患者の尿中白血球数と血圧日内変動の関連性を自由行動下血圧測定法(ABPM)を用いて検討した. 対象および方法:対象は高血圧症にて当科加療中でABPMを施行, かつ尿沈査でWBC 10/HPF未満の女性22例. ABPMは対象の血圧および脈拍を30分ごとに24時間連続測定し, 収縮期血圧(SBP), 拡張期血圧(DBP), 脈圧(PP)および脈拍(HR)と尿中白血球数(U-WBC)の関連性を検討. 結果:各指標の昼間平均値, 夜間平均値, および昼間平均値から見た夜間平均値の降下率(夜間降下率...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 6; no. 4; p. 220
Main Authors 石井一史, 渡邉健太郎, 角田美佐子, 二見章子, 関水憲一, 鈴木一成, 大内基司, 鈴木達也, 中野博司, 大庭建三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2010
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ISSN1349-8975

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Summary:目的:尿中白血球数増加は高齢女性や糖尿病患者に認めるが, 臨床的意義は不明である. 今回, 女性高血圧症患者の尿中白血球数と血圧日内変動の関連性を自由行動下血圧測定法(ABPM)を用いて検討した. 対象および方法:対象は高血圧症にて当科加療中でABPMを施行, かつ尿沈査でWBC 10/HPF未満の女性22例. ABPMは対象の血圧および脈拍を30分ごとに24時間連続測定し, 収縮期血圧(SBP), 拡張期血圧(DBP), 脈圧(PP)および脈拍(HR)と尿中白血球数(U-WBC)の関連性を検討. 結果:各指標の昼間平均値, 夜間平均値, および昼間平均値から見た夜間平均値の降下率(夜間降下率)とU-WBCの関連性は, SBP夜間平均値, PP昼間平均値およびPP夜間平均値が有意な正の相関を認めたが, その他の平均値および夜間降下率と有意な相関を認めなかった. 各指標の夜間降下率高低で2群に分類, 各群のU-WBCを比較した検討では, DPB夜間降下率低率群で, 高率群と比しU-WBCが有意に高値であり, 有意ではないがPP夜間降下率低率群で高率群と比しU-WBCが高値である傾向が示されたが, SBPおよびHR夜間降下率高低群間に有意な差は認めなかった. 考察:U-WBCと血圧日内変動の関連性が示され, 特に夜間血圧とU-WBCの関連性より, 女性高血圧症患者の尿中白血球数と夜間降圧効果との関連性が示唆された.
ISSN:1349-8975