P-4)セロトニン5-HT4受容体欠損マウスの行動解析

目的:セロトニン5-HT4受容体は, 海馬シナプス伝達の修飾など, 神経活動の調節に重要な役割を果たすことが報告されている. 5-HT4受容体の脳機能における役割を検討するため, 5-HT4受容体ノックアウト(5-HT4 KO)マウスの行動を解析した. 対象および方法:5-HT4 KOマウスと同腹の野生型マウスを使用した. 12~15週齢のオス, メスそれぞれを対象に, open field test, light-dark test, elevated plus maze test, prepulse inhibition test(PPI), rotarod test, fear cond...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 6; no. 4; pp. 214 - 215
Main Authors 長濱健一郎, 三ヶ原靖規, 小林克典, 鈴木秀典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2010
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ISSN1349-8975

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Summary:目的:セロトニン5-HT4受容体は, 海馬シナプス伝達の修飾など, 神経活動の調節に重要な役割を果たすことが報告されている. 5-HT4受容体の脳機能における役割を検討するため, 5-HT4受容体ノックアウト(5-HT4 KO)マウスの行動を解析した. 対象および方法:5-HT4 KOマウスと同腹の野生型マウスを使用した. 12~15週齢のオス, メスそれぞれを対象に, open field test, light-dark test, elevated plus maze test, prepulse inhibition test(PPI), rotarod test, fear conditioning test(FC), tail suspension test, porsolt forced swim testを行った. 結果:すべてのテストにおいてオスのマウスでは有意な差が見られなかった. メスの5-HT4 KOマウスでは, PPIにおいて86, 90dBの音刺激による驚愕反応の抑制が有意に低下しており, FCの文脈的記憶においてフリージングの割合が有意に大きかった. 考察:5-HT4 KOマウスにおいてはメスに特異的に, 感覚運動ゲート機構の低下と恐怖の記憶の亢進が生じていることが示唆された. 今後メスとオスでのホルモンの作用の違いによって, セロトニン5-HT4受容体の役割に性差が生じる可能性を検討していこうと考えている.
ISSN:1349-8975