QT dispersionを用いたアントラサイクリン系薬剤による心毒性の早期評価

Summary Journal of Nippon Medical Schoolに掲載しましたOriginal論文の英文「Abstract」を日本医科大学医学会雑誌に和文「Summary」として著者自身が簡潔にまとめたものです. アントラサイクリン(ATC)系薬剤は優れた抗腫瘍効果を有するが, その心毒性は治療上大きな制約となっている. 一方, QT dispersion(QT時間のばらつき)は心室筋の再分極過程の不均一性を示す指標であり, この異常は心筋の電気生理学的な不安定さを示唆する. ドブタミン負荷によるQT dispersionの検討により心不全症状の出現以前に心毒性を評価することが...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 6; no. 4; p. 195
Main Authors 内木場庸子, 深澤隆治, 大久保隆志, 前田美穂, 小川俊一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2010
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ISSN1349-8975

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Summary:Summary Journal of Nippon Medical Schoolに掲載しましたOriginal論文の英文「Abstract」を日本医科大学医学会雑誌に和文「Summary」として著者自身が簡潔にまとめたものです. アントラサイクリン(ATC)系薬剤は優れた抗腫瘍効果を有するが, その心毒性は治療上大きな制約となっている. 一方, QT dispersion(QT時間のばらつき)は心室筋の再分極過程の不均一性を示す指標であり, この異常は心筋の電気生理学的な不安定さを示唆する. ドブタミン負荷によるQT dispersionの検討により心不全症状の出現以前に心毒性を評価することが可能ではないかと考え, 本検討を行った. 対象・方法:37例の血液腫瘍および固形腫瘍治療完全緩解後の患者を対象に, アントラサイクリン系薬剤の蓄積量別に4群(N群7例:蓄積量0mg/m2, L群8例:200mg/m2未満, M群16例:200以上400mg/m2未満, H群6例:400mg/m2以上)に分類し, さらに, 10例の健常者を対照群とした.
ISSN:1349-8975