早期大腸癌発見のための便潜血反応陽性患者に対する全大腸内視鏡の有用性について

大腸癌と大腸ポリープの早期発見のために便潜血反応陽性患者に対する全大腸内視鏡の有用性を検討した. 当院での2002年4月から2009年7月までの8年間における便潜血陽性患者1,491例(男性773例, 女性718例)に対して, 全大腸内視鏡を施行した. 便潜血反応陽性者1,491例のうち, 内視鏡的に有所見率が88.0%であった. そのうち良性ポリープが53.1%と最も多く, 次いで大腸癌10.4%, 大腸憩室9.8%, 腸炎7.8%, 痔核6.0%, その他(潰瘍・裂肛・毛細血管拡張症など)0.9%の順であった. 便潜血反応陽性患者全体の平均年齢は62.0±14.2歳で, 男性では60歳代,...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 6; no. 4; p. 194
Main Authors 尾碕卓司, 徳永昭, 千原直人, 吉野雅則, 坊英樹, 尾形昌男, 渡邉昌則, 鈴木英之, 内田英二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2010
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Summary:大腸癌と大腸ポリープの早期発見のために便潜血反応陽性患者に対する全大腸内視鏡の有用性を検討した. 当院での2002年4月から2009年7月までの8年間における便潜血陽性患者1,491例(男性773例, 女性718例)に対して, 全大腸内視鏡を施行した. 便潜血反応陽性者1,491例のうち, 内視鏡的に有所見率が88.0%であった. そのうち良性ポリープが53.1%と最も多く, 次いで大腸癌10.4%, 大腸憩室9.8%, 腸炎7.8%, 痔核6.0%, その他(潰瘍・裂肛・毛細血管拡張症など)0.9%の順であった. 便潜血反応陽性患者全体の平均年齢は62.0±14.2歳で, 男性では60歳代, 女性では70歳代が多かった, また悪性所見を有する症例の平均年齢は70.5±10.2歳であった. 悪性病変は延べ155例(10.4%)に認められ, 早期癌96例(6.4%)・進行癌59例(4.0%)であった.
ISSN:1349-8975