抗核抗体陽性アトピー性皮膚炎患者の臨床的特徴についての検討

「目的」:アトピー性皮膚炎(AD)患者の内, 抗核抗体(ANA)陽性群(+)と陰性群(-)について, 臨床的特徴を比較検討. 「方法」:対象はAD100例で, 皮膚重症度をスコア化し, 日光過敏の既往の問診を実施WBC, WBC分画, 血小板数, 総IgE値, LDH値, 特異的IgE値, ANAを測定. ANA(+)群では, 抗ds-DNA Ab, 抗SS-A Ab, 抗SS-B Ab, 補体の測定も実施. 「結果」:1)AD患者の19%にANA(+)(40~640倍)を認め, 健常人のANA陽性率6.8%(1,004例中68例)に比し有意に高率(p=0.0001, オッズ比2.8). 2)...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 6; no. 1; p. 41
Main Authors 東直行, 新見やよい, 青木見佳子, 川名誠司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2010
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Summary:「目的」:アトピー性皮膚炎(AD)患者の内, 抗核抗体(ANA)陽性群(+)と陰性群(-)について, 臨床的特徴を比較検討. 「方法」:対象はAD100例で, 皮膚重症度をスコア化し, 日光過敏の既往の問診を実施WBC, WBC分画, 血小板数, 総IgE値, LDH値, 特異的IgE値, ANAを測定. ANA(+)群では, 抗ds-DNA Ab, 抗SS-A Ab, 抗SS-B Ab, 補体の測定も実施. 「結果」:1)AD患者の19%にANA(+)(40~640倍)を認め, 健常人のANA陽性率6.8%(1,004例中68例)に比し有意に高率(p=0.0001, オッズ比2.8). 2)ANA(+)ADで, 抗ds-DNA Abなどほかの自己抗体が陽性になった症例なし. 3)ANA(+)の男性ADでは, 日光過敏と関連あり(p=0.0346). 4)ANA(+)ADは, ANA(-)ADと比し, スギ特異的IgE値が有意に高値(p=0.0232). 5)ANA(+)ADは, 重症度と末梢好塩基球数(r=0.513, p=0.0344), 重症度とLDH値(r=0.741, p=0.0056)が有意に正の相関あり. ADでは, 一般的に重症度と末梢好酸球数が正の相関を示すが, ANA(+)ADではなし. 「結論」:ANA(+)ADは, ADの中で1つの亜集団を形成していることが示唆された.
ISSN:1349-8975