P-40)小児に発症したPseudolymphomatous folliculitisの1例

目的:Pseudolymphomatous folliculitisは, 毛包に関連した皮膚偽リンパ腫の一型であり, 一般に広く認識されていない疾患である. 今回われわれは小児に発症したPseudolymphomatous folliculitisを経験したので報告する. 対象および方法:13歳女児. 初診の2ヵ月前より左鼻翼に皮疹が出現し, 拡大. 前医での皮膚生検でPseudolymphomaを疑われ, 当科に紹介された. 初診時, 同部に直径11mmの紅色結節を認めた. 結果:病理組織学的所見では, 真皮全層にリンパ球様細胞が密に浸潤し, 一部毛包上皮内にも高度な浸潤を示すが, 破壊像は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 5; no. 4; p. 266
Main Authors 高山良子, 二神綾子, 川名誠司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2009
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:目的:Pseudolymphomatous folliculitisは, 毛包に関連した皮膚偽リンパ腫の一型であり, 一般に広く認識されていない疾患である. 今回われわれは小児に発症したPseudolymphomatous folliculitisを経験したので報告する. 対象および方法:13歳女児. 初診の2ヵ月前より左鼻翼に皮疹が出現し, 拡大. 前医での皮膚生検でPseudolymphomaを疑われ, 当科に紹介された. 初診時, 同部に直径11mmの紅色結節を認めた. 結果:病理組織学的所見では, 真皮全層にリンパ球様細胞が密に浸潤し, 一部毛包上皮内にも高度な浸潤を示すが, 破壊像は認めず, 毛包組織は多様な形態を示した. CD1a, S-100蛋白は毛包上皮内, 周囲間質のdendritic cellに陽性. 抗生剤の内服, 外用で生検の2ヵ月後に結節は平坦化した. 考察:Pseudolymphomatous folliculitisの小児例は, 68例中6例であった. 過去にPseudolymphomaと診断された55症例を再検討したところ, 19例がPseudolymphomatous folliculitisであったとの報告もあり, 本疾患が一般に認識されていないため実際の症例数は多い可能性がある. また悪性リンパ腫やDLEと誤診されている可能性もあるために報告した.
ISSN:1349-8975