P-22)当院における交差試験未実施緊急輸血の現状
目的:当院において, 血液型検査のみで交差適合試験を実施しない(未交差)緊急輸血依頼症例について調査したので報告する. 対象および方法:2008年1月から12月の間に未交差で赤血球濃厚液(RCC-LR)の出庫依頼のあった症例を対象とした. 結果:未交差出庫件数は88件あり, 出庫単位数は1,272単位だった. 後追い交差適合試験を実施できたのは682単位(53.6%), 1件あたりの平均出庫単位数は14.5単位だった. 診療科では高度救命救急センターが75件(85.2%)を占め, 出庫単位数も998単位(78.5%)と多かった. 出庫時間帯は, 日勤時29件(33.0%), 日当直時59件(6...
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 5; no. 4; p. 260 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2009
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-8975 |
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Summary: | 目的:当院において, 血液型検査のみで交差適合試験を実施しない(未交差)緊急輸血依頼症例について調査したので報告する. 対象および方法:2008年1月から12月の間に未交差で赤血球濃厚液(RCC-LR)の出庫依頼のあった症例を対象とした. 結果:未交差出庫件数は88件あり, 出庫単位数は1,272単位だった. 後追い交差適合試験を実施できたのは682単位(53.6%), 1件あたりの平均出庫単位数は14.5単位だった. 診療科では高度救命救急センターが75件(85.2%)を占め, 出庫単位数も998単位(78.5%)と多かった. 出庫時間帯は, 日勤時29件(33.0%), 日当直時59件(67.0%)だった. 日当直時の総依頼単位数8,729単位のうち894単位(10.2%)が未交差の依頼だった. 未交差製剤の投与による重篤な副作用の発現はなかった. 考察:今回の調査の結果, 時間帯では日当直時の依頼が多いことが判明した. 今回の集計期間以外も含めて, 現在までのところ当院ではすべて患者と同型の輸血をしており, 緊急O型輸血や異型適合輸血について院内マニュアルで明文化されているものの実施症例はない. しかし, 他院で異型適合輸血をうけた患者の搬送, 血液型の確定が困難な症例, 移植患者の搬送などが予想されることから, 今後は緊急O型輸血, 異型適合輸血の対応について周知徹底を計っていく必要性があると実感した. |
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ISSN: | 1349-8975 |