P-15)Escherichia coliにおけるLVFX耐性の年次変化

目的:単純性膀胱炎の第一選択薬としてキノロン系の抗菌薬が推奨されている. しかし近年Escherichi coliのキノロン耐性化が問題となっている. そこで, 当院で分離されたE.coliのキノロン系抗菌薬LVFXの耐性率について検討した. 対象と方法:対象は2000年から2008年に当院で分離されたE.coliであり, 同一人物同一検体は省いて算出した. 方法はWalkAway 96(シーメンス)を用い, 微量液体希釈法によりMIC値を測定し, CSLIに準じた判定基準でLVFX耐性率の年次変化を検討した. 結果:E.coliのLVFX耐性率は2000年から2002年は5~6%であったが,...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 5; no. 4; p. 258
Main Authors 大川咲奈, 園部一成, 中村祐三, 小坂田直美, 篠山明宏, 飯野幸永, 里村克章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2009
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ISSN1349-8975

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Summary:目的:単純性膀胱炎の第一選択薬としてキノロン系の抗菌薬が推奨されている. しかし近年Escherichi coliのキノロン耐性化が問題となっている. そこで, 当院で分離されたE.coliのキノロン系抗菌薬LVFXの耐性率について検討した. 対象と方法:対象は2000年から2008年に当院で分離されたE.coliであり, 同一人物同一検体は省いて算出した. 方法はWalkAway 96(シーメンス)を用い, 微量液体希釈法によりMIC値を測定し, CSLIに準じた判定基準でLVFX耐性率の年次変化を検討した. 結果:E.coliのLVFX耐性率は2000年から2002年は5~6%であったが, 2003年から徐々に増加し, 2008年には21%となった. 尿由来株では2000年から2002年は7~8%, 2008年には23%であった. 入院患者由来株と外来患者由来株では, 同様の増加傾向を示したが差は見られなかった. また, 2000年から2008年に分離されたE.coliの分離頻度は, 泌尿器・生殖器が最も多く3,424株で全体の52%を示した. まとめ:E.coliのLVFX耐性率は年次増加傾向を示していた. E.coliは尿からの分離頻度が高く, さらにキノロン耐性化が進めば臨床上大きな問題となる. 今後もE.coliのLVFX耐性率の動向に注目し, 観察していく必要があると思われる.
ISSN:1349-8975