P-12)Acostic Radiation Force Impulse(ARFI)を用いた肝硬度と肝線維化マーカーとの比較

目的:肝硬度を非侵襲的に計測する方法として, 機械的振動波を用いたフィブロスキャンが開発されている. 今回, 収束超音波パルスの音響放射圧を生体内組織に加え, その微小な変位の程度から組織の硬さを非侵襲的に計測する新技術ARFIが開発された. 肝臓のARFI値を測定し, 肝線維化マーカー値との関係を検討した. 対象および方法:当院肝臓内科受診中の計157名, 年齢59±14歳, 男:女=69:88, 肝硬変LC29例, 慢性B型肝炎CH-B 11例, 慢性C型肝炎CH-C 57例, アルコール性肝障害5例, 原発性胆汁性肝炎PBC 4例, 自己免疫性肝炎AIH 10例, 脂肪肝12例, 高脂血...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 5; no. 4; p. 257
Main Authors 中村利枝, 横山和之, 水瀬学, 斉藤公一, 本間博, 古明地弘和, 宮元亮子, 清水秀治, 勝田悌実, 水野杏一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2009
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ISSN1349-8975

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Summary:目的:肝硬度を非侵襲的に計測する方法として, 機械的振動波を用いたフィブロスキャンが開発されている. 今回, 収束超音波パルスの音響放射圧を生体内組織に加え, その微小な変位の程度から組織の硬さを非侵襲的に計測する新技術ARFIが開発された. 肝臓のARFI値を測定し, 肝線維化マーカー値との関係を検討した. 対象および方法:当院肝臓内科受診中の計157名, 年齢59±14歳, 男:女=69:88, 肝硬変LC29例, 慢性B型肝炎CH-B 11例, 慢性C型肝炎CH-C 57例, アルコール性肝障害5例, 原発性胆汁性肝炎PBC 4例, 自己免疫性肝炎AIH 10例, 脂肪肝12例, 高脂血症13例, 非肝疾患16例. 右側肋間を音響窓とし, 肝表面からの深さ5.5cmの肝右葉ARFI値を8~10回測定し平均値を求めた. また肝線維化マーカー値(IV型コラーゲン, IV型コラーゲン7S, PIIIP, ヒアルロン酸)との関係を比較検討した. 結果:肝右葉ARFI値は脂肪肝1.25±0.44m/s, CH 1.34±0.40m/S, LC 1.95±0.54m/sの順で上昇しCHとLC間でP<0.05と有意差を認めた. ARFI値と有意な相関関係(p<0.05)を示した各線維化マーカーの平均値とその相関係数を示すと, IV型コラーゲンでLC 277.0±233.8ng/mL, (r=0.597), CH 168.8±127.8ng/mL, (r=0.604), IV型コラーゲン7SではLC 6.19±4.32ng/mL (r=0.707)CH 3.86±2.86ng/mL(r=0.659), PIIIPではLC 1.07±0.72U/mL(r=0.474) CH 0.87±0.52U/mL(r=0.503), CH 115.1±262.2ng/mL(r=0.564)であった. 考察:肝右葉深さ5.5cmのARFI値は肝線維化マーカー値と相関関係があり, 肝硬度評価に有効である可能性が示唆された.
ISSN:1349-8975