P-49)日本医科大学における心大血管疾患に対する心臓リハビリテーション

目的:心臓リハビリテーション(心リハ)が, 心血管疾患患者のQOL改善と2次予防に有用であること, また入院期間短縮効果もあることが明らかにされ, 全国の循環器診療を行っている施設において実施されるようになっている. 当院でも, 平成12年より急性心筋梗塞患者に対して心リハを開始して以来, 数多くの心疾患患者に施行しており, これまでの推移と今後の問題点について報告する. 対象および方法:当院入院の急性心筋梗塞患者を対象に, 心リハ導入数, 導入率, 導入時期, 入院期間, 外来リハへの移行率を検討した. これらに対する, 集中治療室との連携など心リハに対して行った様々な試みの効果を調べ, 今...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 4; no. 4; p. 254
Main Authors 吉田由紀子, 菅谷寿理, 會田智弘, 加藤政利, 竹田裕子, 佐藤淳子, 平野美子, 斎藤公一, 福間長知, 林寛子, 牛島明子, 加藤祐子, 愛須紀子, 高橋啓, 佐藤直樹, 本間博, 岸田浩, 水野杏一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2008
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ISSN1349-8975

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Summary:目的:心臓リハビリテーション(心リハ)が, 心血管疾患患者のQOL改善と2次予防に有用であること, また入院期間短縮効果もあることが明らかにされ, 全国の循環器診療を行っている施設において実施されるようになっている. 当院でも, 平成12年より急性心筋梗塞患者に対して心リハを開始して以来, 数多くの心疾患患者に施行しており, これまでの推移と今後の問題点について報告する. 対象および方法:当院入院の急性心筋梗塞患者を対象に, 心リハ導入数, 導入率, 導入時期, 入院期間, 外来リハへの移行率を検討した. これらに対する, 集中治療室との連携など心リハに対して行った様々な試みの効果を調べ, 今後の問題点について検討する. 結果:1)心リハ導入数, 導入率, 導入時期, 入院期間, 外来リハへの移行率は, それぞれ徐々に改善する傾向にある. 2)心リハ実施の阻害因子としては, 病棟医への認知不足, 合併症, 高齢化, 心リハに対する理解不足などが挙げられる. これらに対し, 集中治療室との連携, 専門のトレーナーによるフィットネス運動, 心臓病教室開催などの試みを行い, 効果を挙げている. 3)現在新たに, 包括的心リハの一環として, 循環器疾患に影響を与える様々な因子, 例えば抑うつやTypeA行動パターンなどの精神・社会心理的要因や睡眠時無呼吸症候群合併などに対する介入を開始した. 考察:すでに, 心リハの導入率は全国平均レベルには到達しているが, さらなる入院期間短縮や患者満足度の改善, そして心疾患の包括的管理のため, 当院心リハに関するシステムに対する検討を引き続き行う必要がある.
ISSN:1349-8975