P-10)全自動尿中有形成分分析装置の導入による日当直業務の改善に関する検討

目的:尿検査は今日初診・再診に関わらず診察前検査が一般的となっている. しかし当院の時間外検査では, 基本的に沈渣は対応していない. 臨床からの要望も有り, 必要な場合のみ白血球・赤血球に限り鏡検を実施している. しかし, 定性検査との一致率・病態を知る上での重要性を考慮すると白血球・赤血球・細菌については, 沈渣での対応が望ましいと考えられる. しかしながら, この3項目に絞っても尿中有形成分の出現が多種多様にわたることから個人間差の是正は, 担当部門以外の当日直者においては非常に困難である. 今回われわれは, 当日直者の負担を軽減し, なお, 臨床の要望にも答えるべく, 全自動尿中有形成分...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 4; no. 4; p. 242
Main Authors 中島由美子, 成定昌昭, 臼井一城, 加藤理絵, 菅原通, 森本進, 勝部康弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2008
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ISSN1349-8975

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Summary:目的:尿検査は今日初診・再診に関わらず診察前検査が一般的となっている. しかし当院の時間外検査では, 基本的に沈渣は対応していない. 臨床からの要望も有り, 必要な場合のみ白血球・赤血球に限り鏡検を実施している. しかし, 定性検査との一致率・病態を知る上での重要性を考慮すると白血球・赤血球・細菌については, 沈渣での対応が望ましいと考えられる. しかしながら, この3項目に絞っても尿中有形成分の出現が多種多様にわたることから個人間差の是正は, 担当部門以外の当日直者においては非常に困難である. 今回われわれは, 当日直者の負担を軽減し, なお, 臨床の要望にも答えるべく, 全自動尿中有形成分分析装置を使用し, 時間外の沈渣もルーチン帯と同等に結果報告することが可能であるかを検討した. 対象および方法:全自動有形成分分析装置2機種, UF-1000i(sysmex社)・オーションIQ-5210(アークレイ社)を使用し, 目視法との相関を当院患者検体300件を対象とし赤血球・白血球・細菌について検討した. 結果:UF-1000i・オーションIQ-5210と目視法での白血球・赤血球の完全一致率は50%前後であったが, ±1ランク内一致率では90%以上, 細菌では1000iとオーションIQの一致率に測定原理によると思われる差があったが目視法との相関は良好であった. 考察:いずれの項目も当日直者による沈渣鏡検の代わりとしては満足な結果であり, 2機種に操作性などの差は多少あるが, 時間外での導入は結果報告の迅速化, 精度向上に十分貢献すると思われる.
ISSN:1349-8975