P-34)血栓症を発症した子宮腺筋症3症例の解析

最近子宮腺筋症を基礎疾患として血栓症を発症した3症例を経験したので報告する. 症例1は47歳, 未経妊で, 子宮腺筋症に対し, 低容量ピルを内服後1カ月にて深部静脈血栓症を発症した. これに対し, ヘパリン・ウロキナーゼ使用中に, 肺血栓塞栓症を併発し, 血栓除去術など施行し, 救命し得た. 症例2は, 44歳, 1経妊1経産, 妊娠9週にて人工妊娠中絶術施行後, 左内顆に発赤・疼痛・腫脹が出現した. 超音波にて深部静脈血栓症と診断し, ワーファリンコントロール後, 腹式単純子宮全摘術に至った. 症例3は, 35歳の未経妊, 子宮腺筋症にて外来通院していた. GnRHアゴニスト療法3クール施行...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 3; no. 4; p. 243
Main Authors 岩崎奈央, 市川雅男, 米山剛一, 里見操緒, 阿部裕子, 小野修一, 高屋茜, 山下恵理子, 桑原慶充, 明樂重夫, 竹下俊行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2007
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Summary:最近子宮腺筋症を基礎疾患として血栓症を発症した3症例を経験したので報告する. 症例1は47歳, 未経妊で, 子宮腺筋症に対し, 低容量ピルを内服後1カ月にて深部静脈血栓症を発症した. これに対し, ヘパリン・ウロキナーゼ使用中に, 肺血栓塞栓症を併発し, 血栓除去術など施行し, 救命し得た. 症例2は, 44歳, 1経妊1経産, 妊娠9週にて人工妊娠中絶術施行後, 左内顆に発赤・疼痛・腫脹が出現した. 超音波にて深部静脈血栓症と診断し, ワーファリンコントロール後, 腹式単純子宮全摘術に至った. 症例3は, 35歳の未経妊, 子宮腺筋症にて外来通院していた. GnRHアゴニスト療法3クール施行した. 経過中, 突然の左鼠径部痛, 両下肢の腫脹を認め, 下肢静脈造影により深部静脈血栓症と診断し, 血栓溶解療法を施行した. 現在は酢酸ブセレリン投与にて症状軽快し, 順調に経過している. これら3症例について臨床的に検討し, 報告する.
ISSN:1349-8975