P-15)大動脈の厚さと硬さ:strain rate imagingを用いて

「目的」動脈の硬さが増大(伸展のしやすさの減少)すると, 心血管疾患のリスクが高くなる. 今回経食道心エコー(TEE)で下行大動脈の壁厚を計測し, strain rate imagingからstrain(S), strain rate(SR)を求めて両者の関係について検討した. 「対象・方法」TEEを実施した47例. 内15例にABI(PWV;pulse wave velocity)を施行. TEEで下行大動脈の短軸画像から大動脈径(AoD), 壁厚(AoT)を測定し, 組織ドプラ画像を同時に記録した. オフラインにて血管壁のSR波形を描出し収縮期最大伸展(+SR), 最大収縮(-SR), S...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 3; no. 4; p. 237
Main Authors 見友優子, 松崎つや子, 関野玲子, 田尾清一, 水瀬学, 中村利枝, 齋藤公一, 本間博, 藤本啓志, 東春香, 大野忠明, 水野杏一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2007
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Summary:「目的」動脈の硬さが増大(伸展のしやすさの減少)すると, 心血管疾患のリスクが高くなる. 今回経食道心エコー(TEE)で下行大動脈の壁厚を計測し, strain rate imagingからstrain(S), strain rate(SR)を求めて両者の関係について検討した. 「対象・方法」TEEを実施した47例. 内15例にABI(PWV;pulse wave velocity)を施行. TEEで下行大動脈の短軸画像から大動脈径(AoD), 壁厚(AoT)を測定し, 組織ドプラ画像を同時に記録した. オフラインにて血管壁のSR波形を描出し収縮期最大伸展(+SR), 最大収縮(-SR), S波形から最大伸展(+S)を求めた. 「結果」47例の平均年齢65±13歳, 平均AoD 24±4mm, 平均AoT 1.7±1.1mm, 血圧126±13/73±8mmHg, 心拍数72±8/分. 相関関係は, AoT vs -SR, R=0.709, P<0.001, AoT vs +SR, R=0.392, P<0.01, AoT vs +S, R=0.325, P<0.05, AoD vs PWV, R=0.584, P<0.05, で有意な相関が得られた. しかし, AoT vs PWV, -SR vs PWV, +SR vs PWV, +S vs PWVは相関がなかった. 「考察」大動脈壁局所のstrain rateは同部位のAoT, AoDと相関があり, 特に収縮期伸展後に戻るstrain rateは強い相関が得られた. 多数箇所のstrain rateを総合判定できればPWVとも相関が得られるものと考えられた.
ISSN:1349-8975