Analysis of Alteration of Blood Pressure Response to Exercise through Baroreflex (J Nippon Med Sch 2007;74:123-130) 圧受容体反射感受性差異による運動負荷時血圧制御

「背景」圧受容体反射機能(BRS)は運動時の血行動態調整に重要な役割を担っている. 本研究ではBRSと運動負荷時の血圧応答の関係を検討し運動負荷時高血圧の機序を考察した. 「対象および方法」対象は心機能低下例を除外した22例. フェニレフリン投与後の昇圧に対する心拍反応によりBRSを測定し, 5ms/mmHg以上の正常群(n=12)と未満の低下群(n=10)に分類した. トレッドミル運動負荷試験を施行し運動開始1分と6分の血圧応答を評価した. 「結果」臨床背景に有意差なし. BRS正常群で運度初期の収縮期血圧(SBP)が低値(P<0.01). BRSとSBPの関係は, 運動開始1分で負相...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 3; no. 2; p. 112
Main Authors 眞鍋宏美, 福間長知, 土田貴也, 加藤祐子, 馬測浩輔, 高野照夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2007
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ISSN1349-8975

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Summary:「背景」圧受容体反射機能(BRS)は運動時の血行動態調整に重要な役割を担っている. 本研究ではBRSと運動負荷時の血圧応答の関係を検討し運動負荷時高血圧の機序を考察した. 「対象および方法」対象は心機能低下例を除外した22例. フェニレフリン投与後の昇圧に対する心拍反応によりBRSを測定し, 5ms/mmHg以上の正常群(n=12)と未満の低下群(n=10)に分類した. トレッドミル運動負荷試験を施行し運動開始1分と6分の血圧応答を評価した. 「結果」臨床背景に有意差なし. BRS正常群で運度初期の収縮期血圧(SBP)が低値(P<0.01). BRSとSBPの関係は, 運動開始1分で負相関関係(r=-0.408, p<0.05), 6分で正相関関係を示し(r=0.422, p<0.05), この関係はBRS正常群で顕著. 「結語」BRS低下と昇圧は関連しなかった. 圧受容体反射系は, ストレスに適した血圧となるよう負荷の増大に伴いset pointを高圧側に移動させながら機能しており, 本研究の結果はset point設定異常が運動負荷時高血圧の原因になることを示すと考えられた.
ISSN:1349-8975