P-2)学生による授業評価の妥当性・信頼性に関する研究

教員の授業評価について, 医学教育担当教員による同僚評価をコントロールとして, 学生評価の妥当性, 信頼性を検討する. 対象, 方法:同一学年の第3学年から第4学年にかけて行われた臓器別臨床系コース講義の中から24講義を任意に選択し対象とした. それぞれの講義について, 学生評価, 自己評価, 同僚評価を実施し, 同僚評価をコントロールとし比較検討した. 授業評価質問票は8質問項目, 各質問項目は5段階評価としマークシート方式で実施した. また, 10段階スケールによる全般的評価も併せて実施した. 結果:学生による授業評価の回答数は47±25であった. 学生評価, 自己評価, 同僚評価において...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 2; no. 4; p. 250
Main Authors 吉村明修, 志村俊郎, 阿曽亮子, 儀我真理子, 瀧澤俊広, 明樂重夫, 寺本明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2006
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Summary:教員の授業評価について, 医学教育担当教員による同僚評価をコントロールとして, 学生評価の妥当性, 信頼性を検討する. 対象, 方法:同一学年の第3学年から第4学年にかけて行われた臓器別臨床系コース講義の中から24講義を任意に選択し対象とした. それぞれの講義について, 学生評価, 自己評価, 同僚評価を実施し, 同僚評価をコントロールとし比較検討した. 授業評価質問票は8質問項目, 各質問項目は5段階評価としマークシート方式で実施した. また, 10段階スケールによる全般的評価も併せて実施した. 結果:学生による授業評価の回答数は47±25であった. 学生評価, 自己評価, 同僚評価において, 各総合評点と全般的評価の間に有意な相関関係が示された. 学生評価の総合評点(5段階), 全般的評価(10段階)は, 3.88±0.34, 7.35±0.91, 自己評価の総合評点, 全般的評価は, 4.06±0.44, 7.54±1.06であった. 同僚評価の総合評点, 全般的評価は, 3.98±0.58, 7.79±1.29で, 学生評価, 自己評価との間に有意差を認めなかった. 学生評価と同僚評価の総合評点は相関係数0.532(p=0.0056), 自己評価と同僚評価の総合評点は相関係数0.417(p=0.0420)で有意な相関関係が示された. また, 学生評価と同僚評価の全般的評価は相関係数0.420(p=0.0401)で有意な相関が示された. 一方, 自己評価と同僚評価の総合評点は相関係数0.374(p=0.720)で有意な相関関係は認められなかった. 結論:各評価において総合評点と全般的評価に有意な相関関係が示され, 学生評価の妥当性, 信頼性が示された.
ISSN:1349-8975