P-60)診断に苦渋した肝内胆管拡張症に伴った肝内胆管結石の1例

症例は67歳女性. CA19-9高値精査にて超音波を施行したところ, 肝門部に乳頭状の高エコー域を認めたため, 精査目的で入院となった. 腹部CTでは, 肝門部に造影されない嚢胞性腫瘤として観察された. 入院後, ERCPで肝内胆管と連続する嚢胞性腫瘤を認め, 内部に欠損像が認められた. 造影MRIでは, 肝門部に約1.4cm大の嚢胞性腫瘤を認め, T2WIにてその内部に1.0cmの欠損像が認められ, 造影後に異常濃染域は認められなかった. 以上の所見により, 肝内胆管拡張症に伴った結石と診断した. その後の画像検査では著変はなく, 臨床検査値の異常は認められず, そのまま経過観察とし, 3年...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 1; no. 4; p. 246
Main Authors 箱崎謙太, 古川一博, 駒田康成, 松田 亮, 桐山智成, 田島廣之, 隈崎達夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2005
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Summary:症例は67歳女性. CA19-9高値精査にて超音波を施行したところ, 肝門部に乳頭状の高エコー域を認めたため, 精査目的で入院となった. 腹部CTでは, 肝門部に造影されない嚢胞性腫瘤として観察された. 入院後, ERCPで肝内胆管と連続する嚢胞性腫瘤を認め, 内部に欠損像が認められた. 造影MRIでは, 肝門部に約1.4cm大の嚢胞性腫瘤を認め, T2WIにてその内部に1.0cmの欠損像が認められ, 造影後に異常濃染域は認められなかった. 以上の所見により, 肝内胆管拡張症に伴った結石と診断した. その後の画像検査では著変はなく, 臨床検査値の異常は認められず, そのまま経過観察とし, 3年後の現在でも著変は認められていない. 本症例は肝内胆管拡張症に伴った結石であるが, その報告は少ない. 若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:1349-8975