P-56)高血圧患者における左室拡張障害の検討

目的:左室拡張障害を主体とした病態下で心不全が発生することが知られており, その多くは高血圧症による拡張障害を基盤としている. われわれは高血圧症患者において心臓超音波法により左室拡張機能を検討した. 対象および方法:1)対象:高血圧患者(HT群)152例(平均67.2歳)と健常対象(N群)19例(平均63.0歳)である. 2)方法:超音波診断装置(フィリップス社SONOS-5500), 3.5MHzセクタプローブを使用した. パルスドプラ法にてE/A, DcT, IVRT, PV flowを測定し, 断層法にてIVST, PWT, LAD, LVDd, LDs, EFを計測した. 結果:HT...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 1; no. 4; p. 245
Main Authors 水谷行伸, 酒井貴史, 手嶌浩恵, 林 綾子, 佐藤寛之, 池野廣幸, 草間芳樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2005
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:目的:左室拡張障害を主体とした病態下で心不全が発生することが知られており, その多くは高血圧症による拡張障害を基盤としている. われわれは高血圧症患者において心臓超音波法により左室拡張機能を検討した. 対象および方法:1)対象:高血圧患者(HT群)152例(平均67.2歳)と健常対象(N群)19例(平均63.0歳)である. 2)方法:超音波診断装置(フィリップス社SONOS-5500), 3.5MHzセクタプローブを使用した. パルスドプラ法にてE/A, DcT, IVRT, PV flowを測定し, 断層法にてIVST, PWT, LAD, LVDd, LDs, EFを計測した. 結果:HT群:E/A 0.85±0.20, Dct 206.8±36.2, IVRT 78.2±16.0, PVa 30.5±10.2, Pva dur 122.8±14.9, PVs/PVd 1.58±0.35であった. N群:E/A 1.05±0.22, Dct 176.9±19.7, IVRT 69.3±9.4, PVa 24.7±3.0, Pva dur 124.9±9.6, PVs/PVd 1.42±0.25であった. N群に比し, HT群ではE/A低値(p<0.0001), DcT延長(p<0.001), IVRT延長(p<0.02), PVa高値(p<0.02)を示した. 尚, HT群で年齢とE/Aに弱い負の相関関係(r=-0.577, p<0.0001)がみられた. 考察:高血圧症患者では左室拡張障害が認められ, 拡張障害程度は加齢の影響を受けることが示された.
ISSN:1349-8975