P-48)病棟薬剤師による薬剤適正使用への貢献

目的:病棟薬剤師の日常業務として行われている薬剤管理指導業務の中で, 疑義照会を行った内容について分類, 解析し, 病棟薬剤師の薬剤の適正使用への貢献について評価したので報告する. 対象および方法:平成16年2月~平成17年6月までの疑義照会調査記録票196件を対象として調査を行なった. 結果:対象とした記録票196件のうち, 処方変更となったのは170件で, 処方の変更率は86.7%であった. そのうち内服, 外用剤が166件で全体の84.7%を占め, 注射剤は30件で15.3%であった. 疑義照会内容の内訳は「有効性, 安全性」に関するものが106件で最も多く, 次いで「用法, 用量」に関...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 1; no. 4; p. 242
Main Authors 三浦義彦, 伊勢雄也, 島崎麻智子, 川田桂子, 萩原 研, 片山志郎, 菊池有道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2005
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ISSN1349-8975

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Summary:目的:病棟薬剤師の日常業務として行われている薬剤管理指導業務の中で, 疑義照会を行った内容について分類, 解析し, 病棟薬剤師の薬剤の適正使用への貢献について評価したので報告する. 対象および方法:平成16年2月~平成17年6月までの疑義照会調査記録票196件を対象として調査を行なった. 結果:対象とした記録票196件のうち, 処方変更となったのは170件で, 処方の変更率は86.7%であった. そのうち内服, 外用剤が166件で全体の84.7%を占め, 注射剤は30件で15.3%であった. 疑義照会内容の内訳は「有効性, 安全性」に関するものが106件で最も多く, 次いで「用法, 用量」に関するもの21件, 「コンプライアンス」に関するもの10件の順であった. 処方変更となった170件の中, その処方変更が患者にもたらした結果について, 肯定的(患者にとって有益)と評価できたものが118件, 否定的(患者にとって不利益)だったものは0件, 不変だったものが46件, 評価困難だったものが6件であった. 以上の結果より, 疑義照会に伴う処方変更によりもたらされた結果の大半が患者にとって肯定的であると評価でき, 薬剤師の薬剤適正使用への関与は患者QOLの向上に貢献できたと考えられた. 考察:本調査結果より, 薬剤師は薬剤管理指導業務を通して, 薬剤の適正使用ならびにリスクマネジメントの推進に貢献していると考えられた.
ISSN:1349-8975