P-29)輸液療法室における外来抗がん剤療法:疑義照会内容の分析・評価
目的:2004年5月より外来患者のための抗がん剤点滴治療室(名称:輸液療法室)が開設され, 2名の薬剤師が常駐し業務を行っている. 今回, 外来がん化学療法に対する疑義照会の内容を分析し, 薬剤師の役割を検討する. 方法:調査期間は2004年5月から2005年3月までとした. 疑義照会は, 実施日や医師名などの事務的事項の記載もれなど「処方せんの不備」に関するもの, 薬剤量や休薬期間の確認など「用法用量」に関するもの, 薬剤の配合変化や実施指示後の投薬確認など「有効性, 安全性」に関するもの, 「その他」に分類して集計した. また, 疑義照会によって回避できた薬剤費の損失についても検討した....
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 1; no. 4; pp. 236 - 237 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2005
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Summary: | 目的:2004年5月より外来患者のための抗がん剤点滴治療室(名称:輸液療法室)が開設され, 2名の薬剤師が常駐し業務を行っている. 今回, 外来がん化学療法に対する疑義照会の内容を分析し, 薬剤師の役割を検討する. 方法:調査期間は2004年5月から2005年3月までとした. 疑義照会は, 実施日や医師名などの事務的事項の記載もれなど「処方せんの不備」に関するもの, 薬剤量や休薬期間の確認など「用法用量」に関するもの, 薬剤の配合変化や実施指示後の投薬確認など「有効性, 安全性」に関するもの, 「その他」に分類して集計した. また, 疑義照会によって回避できた薬剤費の損失についても検討した. なお, 薬剤費については2004年4月版保健薬事典(じほう)を利用した. 結果:疑義照会件数は67件であり, 処方せん受理総枚数(2,152枚)の3.1%を占めた. 疑義照会による変更は61件で, 変更率は91.0%であった. 疑義照会内容の内訳は, 「処方せんの不備」に関するもの5件, 「用法用量」に関するもの32件, 「有効性, 安全性」に関するもの22件, 「その他」8件であった. また, 疑義照会により損失を回避できた総薬剤費は薬価計算で約70万円であった. 考察:薬剤師が外来化学療法に積極的にかかわることにより, 抗がん剤の適正使用や医療事故防止などの患者安全管理面だけでなく, 医療経済的損失の回避においても貢献できると考えられる. |
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ISSN: | 1349-8975 |