P-2)輸液療法室における外来抗がん剤治療:安全な治療を目指した業務運営

2004年5月より外来患者のための抗がん剤点滴治療室(名称:輸液療法室)が開設された. 開設, 運営にあたり, われわれは, がん化学療法が安全かつ正確に行われるよう業務を検討したので報告する. 目的:外来でのがん化学療法における安全性の確立, 業務の標準化, 効率化. 方法および結果:(1)適正な治療:安全に治療が実施できるようがん化学療法プロトコールの事前登録制を導入するとともに, 専用の処方せんを作成した. このことにより, 疾患名, プロトコール名, 体表面積などの患者情報が得られ, 投与薬剤, 投与量などの確認が容易となった. (2)患者様への情報提供:抗がん剤の血管外漏出事故防止の...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 71; no. 6; p. 465
Main Authors 腹子あきこ, 宮田広樹, 木野美和子, 若林恵子, 黒澤香世, 西澤光代, 弦間昭彦, 片山志郎, 平野公晟, 大嶺桂子, 三上ちづ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2004
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Summary:2004年5月より外来患者のための抗がん剤点滴治療室(名称:輸液療法室)が開設された. 開設, 運営にあたり, われわれは, がん化学療法が安全かつ正確に行われるよう業務を検討したので報告する. 目的:外来でのがん化学療法における安全性の確立, 業務の標準化, 効率化. 方法および結果:(1)適正な治療:安全に治療が実施できるようがん化学療法プロトコールの事前登録制を導入するとともに, 専用の処方せんを作成した. このことにより, 疾患名, プロトコール名, 体表面積などの患者情報が得られ, 投与薬剤, 投与量などの確認が容易となった. (2)患者様への情報提供:抗がん剤の血管外漏出事故防止のためのパンフレットを作成し, 事前および治療当日に説明を行った. また, 抗がん剤副作用情報や患者個別への「お薬説明書」を作成した. このことにより, 日常生活の注意や治療への理解が得られることができた. (3)患者様からの情報:「患者情報シート」を作成した. このことにより, 在宅時の副作用状況や継続すべき看護情報を効率よく管理できるようになった. (4)業務マニュアル:全ての業務をマニュアル化した. このことにより, 統一した業務が可能となり, 標準化, 効率化につなげられた. 考察:2004年6月末現在, 1週間に約40件のがん化学療法が輸液療法室において安全に実施されている. 業務マニュアルや各種説明書を用いることで, 患者様に安全性の高い治療を提供できていると考える.
ISSN:1345-4676
1347-3409