P-1)輸液療法室における外来抗がん剤治療:市販データベースソフトを用いた業務支援システムの構築

2004年5月より外来患者のための抗がん剤点滴治療室(名称:輸液療法室)が開設された. 開設, 運営にあたり, われわれは, がん化学療法が安全かつ正確に行われるよう積極的に関与する必要があり, その方法について検討したので報告する. 目的:外来でのがん化学療法における安全性の確立, 業務の標準化, 効率化. 方法および結果:輸液療法室の開設, 運営にあたり, 3診療科に対しがん化学療法プロトコールの提出を依頼し, その依頼に対し13疾患96件のプロトコールが提出された. 各プロトコールを文献やガイドラインなどに基づいて調査し, 治療の有効性, 妥当性を確認した後データベースへ登録, 業務支援...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 71; no. 6; p. 465
Main Authors 宮田広樹, 西澤光代, 腹子あきこ, 木野美和子, 若林恵子, 黒澤香世, 弦間昭彦, 片山志郎, 平野公晟, 大嶺桂子, 三上ちづ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2004
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ISSN1345-4676

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Summary:2004年5月より外来患者のための抗がん剤点滴治療室(名称:輸液療法室)が開設された. 開設, 運営にあたり, われわれは, がん化学療法が安全かつ正確に行われるよう積極的に関与する必要があり, その方法について検討したので報告する. 目的:外来でのがん化学療法における安全性の確立, 業務の標準化, 効率化. 方法および結果:輸液療法室の開設, 運営にあたり, 3診療科に対しがん化学療法プロトコールの提出を依頼し, その依頼に対し13疾患96件のプロトコールが提出された. 各プロトコールを文献やガイドラインなどに基づいて調査し, 治療の有効性, 妥当性を確認した後データベースへ登録, 業務支援システムの構築を試みた. データベースには市販データベースソフト「File Maker Pro ver.6」を用いた. この結果, 1)登録されたプロトコールとカルテや処方せんから得られた患者情報を参照して処方入力することにより, 薬剤の組み合わせ, 投与量, 投与時間, 前投与薬, 休薬期間などの監査を自動化することができた. 2)点滴ボトル用のラベルと医事会計用ラベルの作成を自動化させることで, 業務を効率化できた. 3)抗がん剤データベースを作成したことで, 患者への服薬指導説明書などの作成を自動化した. 考察:市販データベースを用いることにより業務支援システムを構築することができた. 以上から, 安全性および確実性を高めた外来がん化学療法が可能になった.
ISSN:1345-4676