5)心臓カテーテル検査により後腹膜出血をきたした1例

心臓カテーテル検査は標準的な検査となり, 合併症の頻度も低下してきているが, インターベンションが増加すると共に特有の合併症も出現してきている. 第二病院内科において心臓カテーテル検査を平成12年4月より15年3月まで463件(内インターベンション120件)行った. 合併症にて処置を必要とした症例が何例かあり, そのうち最近経験した症例を報告する. 症例は61歳, 男性, 急性心筋梗塞発症1ヵ月後に閉塞していた右冠動脈起始部にステントを植え込んだ. 6ヵ月後の再造影で99%の再狭窄を認めたためインターベンシン施行, 狭窄部は良好な拡張を得たが, 術後, 腰痛を訴えショック状態となり, 後腹膜(...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 4; p. 376
Main Authors 網谷賢一, 竹永清人, 山口朋禎, 高橋直人, 星野公彦, 内田高浩, 岩原信一郎, 宗像一雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2003
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Summary:心臓カテーテル検査は標準的な検査となり, 合併症の頻度も低下してきているが, インターベンションが増加すると共に特有の合併症も出現してきている. 第二病院内科において心臓カテーテル検査を平成12年4月より15年3月まで463件(内インターベンション120件)行った. 合併症にて処置を必要とした症例が何例かあり, そのうち最近経験した症例を報告する. 症例は61歳, 男性, 急性心筋梗塞発症1ヵ月後に閉塞していた右冠動脈起始部にステントを植え込んだ. 6ヵ月後の再造影で99%の再狭窄を認めたためインターベンシン施行, 狭窄部は良好な拡張を得たが, 術後, 腰痛を訴えショック状態となり, 後腹膜(左腎周囲)に出血を認めた. 輸血, 昇圧剤を使用し回復した. 他に, 亜急性血栓症, ステント脱落の経験もあり, 合わせて報告する.
ISSN:1345-4676