8)簡易型睡眠時無呼吸モニターを用いた循環器障害を有する患者における呼吸障害の検討

拡張型心筋症, 高血圧心疾患, 心房細動, 急性心筋梗塞などの循環器疾患にて加療中の33歳から71歳までの8症例に簡易型睡眠時無呼吸モニター(Eden Trace II)を用い睡眠時呼吸障害の有無を検討した. AHIが10以上でかつ著明な低酸素血症を伴っていた症例は3例であった. すなわちCheyne-Stokes様の中枢型無呼吸低換気は拡張型心筋症による慢性心不全1例と高血圧性心疾患1例に認められた. 閉塞型無呼吸低換気は高血圧性心疾患の1例であった. 拡張型心筋症による慢性心不全例には在宅酸素療法施行. 高血圧性心疾患1例にはnasal CPAPを開始し傾眠などの自覚症状の著明な改善と血圧...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 3; p. 291
Main Authors 山口朋禎, 岩原信一郎, 内田高浩, 高橋直人, 網谷賢一, 竹永清人, 板倉潮人, 宗像一雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2003
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ISSN1345-4676

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Summary:拡張型心筋症, 高血圧心疾患, 心房細動, 急性心筋梗塞などの循環器疾患にて加療中の33歳から71歳までの8症例に簡易型睡眠時無呼吸モニター(Eden Trace II)を用い睡眠時呼吸障害の有無を検討した. AHIが10以上でかつ著明な低酸素血症を伴っていた症例は3例であった. すなわちCheyne-Stokes様の中枢型無呼吸低換気は拡張型心筋症による慢性心不全1例と高血圧性心疾患1例に認められた. 閉塞型無呼吸低換気は高血圧性心疾患の1例であった. 拡張型心筋症による慢性心不全例には在宅酸素療法施行. 高血圧性心疾患1例にはnasal CPAPを開始し傾眠などの自覚症状の著明な改善と血圧の安定, 不整脈の減少を認めた. 様々な循環器疾患と睡眠時呼吸障害は密接に関係しており, 今後も症例を増やすとともに様々なパラメーターを同時に測定しさらなる検討をしたいと考えている.
ISSN:1345-4676