P-127) Novel protease: human airway trypsin-like protease (HAT) in psoriasis vulgaris

Human airway trypsin-like protease(HAT)は, 慢性気道疾患患者の喀痰から分離された新しいtrypsin様酵素であり, 気道上皮細胞から産生される. フィブリノーゲン分解能, 肺線維芽細胞増生能, 気道上皮細胞からのIL-8産生能などが報告されている. 我々は, 免疫染色, RT-PCR法でHATが表皮に発現していることを発見した. そこで, 培養ケラチノサイトを用いて, HATによる増殖能やサイトカイン産生能を検討した. また, 尋常性乾癬組織7例, 正常皮膚組織4例を用いて, HATの発現及びHATのレセプター候補であるProtease-activate...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 670
Main Authors 岩切加奈, 金恩京, 藤原正和, 川並汪一, 竹崎伸一郎, 川名誠司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2002
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ISSN1345-4676

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Summary:Human airway trypsin-like protease(HAT)は, 慢性気道疾患患者の喀痰から分離された新しいtrypsin様酵素であり, 気道上皮細胞から産生される. フィブリノーゲン分解能, 肺線維芽細胞増生能, 気道上皮細胞からのIL-8産生能などが報告されている. 我々は, 免疫染色, RT-PCR法でHATが表皮に発現していることを発見した. そこで, 培養ケラチノサイトを用いて, HATによる増殖能やサイトカイン産生能を検討した. また, 尋常性乾癬組織7例, 正常皮膚組織4例を用いて, HATの発現及びHATのレセプター候補であるProtease-activated receptor(PAR)-2の発現を検討した. PARは7回膜貫通型Gプロテイン結合受容体の新しいfamilyであり, 哺乳類のいろいろな組織で発現が認められている. PAR-2はtrypsinやtryptaseなどにより, N末端が部分的に切断されて活性化されることがわかっている. 培養実験でHATはケラチノサイトからのIL-8産生を誘導したが増殖能は認めなかった. 免疫染色では, HATは正常および乾癬表皮に陽性であり, PAR-2は正常表皮に比べ乾癬表皮で発現が若干低下していた. RT-PCR法ではHATmRNAは正常表皮に比べ乾癬表皮で有意に上昇していた. PAR-2mRNAは乾癬表皮で低下していた. HATがIL-8産生により乾癬表皮での好中球浸潤に関与し病態形成にかかわっている可能性が推測された.
ISSN:1345-4676