P-87)ステロイドにて肉芽腫の消退を認めた,腎サルコイドーシスの1例
症例は19歳男性. 既往歴, 家族歴に特記事項なし. 2002年正月頃, 全身倦怠感あり, 市販の感冒薬を10日内服. 同年2月11日頃, 右眼の霧視出現し, 2月17日近医眼科受診. 右虹彩炎, 虹彩後癒着及びリゾチームの上昇(266μg/m1)を認めたため, サルコイドーシスを疑われ, ステロイド点眼薬処方. 霧視は点眼後数日で消失したが, BUN27.6mg/dl, Cre24mg/dlと上昇していたため, 3月15日当科入院となった. 血中尿中Ca, ACEは正常範囲であったが, 尿蛋白(1+), 尿中β2MG9310μg/liter, リゾチーム28.4μg/mlと上昇を認め, ツベ...
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Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 660 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2002
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ISSN | 1345-4676 |
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Summary: | 症例は19歳男性. 既往歴, 家族歴に特記事項なし. 2002年正月頃, 全身倦怠感あり, 市販の感冒薬を10日内服. 同年2月11日頃, 右眼の霧視出現し, 2月17日近医眼科受診. 右虹彩炎, 虹彩後癒着及びリゾチームの上昇(266μg/m1)を認めたため, サルコイドーシスを疑われ, ステロイド点眼薬処方. 霧視は点眼後数日で消失したが, BUN27.6mg/dl, Cre24mg/dlと上昇していたため, 3月15日当科入院となった. 血中尿中Ca, ACEは正常範囲であったが, 尿蛋白(1+), 尿中β2MG9310μg/liter, リゾチーム28.4μg/mlと上昇を認め, ツベルクリン反応は陰性. 心電図にて不完全右脚ブロック, 心エコーにて心室中隔のasynergyを認めた. 胸部X線, 胸部CT, ガリウムシンチグラムでは有意な所見はなかった. 3月19日に腎生検施行. 糸球体の変化はほとんど認めなかったが, 間質に広範にリンパ球の浸潤および非乾酪性類上皮肉芽腫の形成を認めた. 経ロステロイド剤による治療を開始したところ, Cre127mg/dl, リゾチーム値および心電図波形は正常化し, 心室中隔のasynergyは消失した. 3ヵ月後の腎生検では間質の線維化は残存していたが, リンパ球浸潤および肉芽腫はほぼ消失していた. |
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ISSN: | 1345-4676 |