P-61)第二病院における輸血業務システム化の提案

近年, 血液製剤の安全性は核酸増幅検査等の導入により向上しているが, その一方で輸血療法に関わる事故の報道は後を絶えず, 要因として人為的過誤は無視できない. 輸血検査と血液製剤の管理を確実かつ効率的に行うには, 検査の自動化とコンピュータによる管理システムの運用が最も有用である. 導入前検査法(Tube Test)は個人差, 再現性に問題があり, 技術レベルの差による輸血過誤またはニアミスの危険性が常に付きまとうため, 昼夜を問わない輸血検査の24時間体制が望まれていた. 当検査室は1998年11月よりオーソ社の全自動輸血検査装置Auto Vue Systemを導入し, 輸血管理システムBT...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 652
Main Authors 井上雅則, 井梅和美, 花出豊, 新宅孝征, 松岡和彦, 島田洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2002
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ISSN1345-4676

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Summary:近年, 血液製剤の安全性は核酸増幅検査等の導入により向上しているが, その一方で輸血療法に関わる事故の報道は後を絶えず, 要因として人為的過誤は無視できない. 輸血検査と血液製剤の管理を確実かつ効率的に行うには, 検査の自動化とコンピュータによる管理システムの運用が最も有用である. 導入前検査法(Tube Test)は個人差, 再現性に問題があり, 技術レベルの差による輸血過誤またはニアミスの危険性が常に付きまとうため, 昼夜を問わない輸血検査の24時間体制が望まれていた. 当検査室は1998年11月よりオーソ社の全自動輸血検査装置Auto Vue Systemを導入し, 輸血管理システムBTDと連携することにより, 従来から問題視されていた検査者の主観的要素を排除した. 今回我々は, 本検査体制に患者認識システムPISを接続し, 検査から使用確認までを一貫とした, 輸血確認システムを構築したので報告する. PIS(テクノメディカ社)は2001年11月から当検査室が開発協力をしている患者認識システムであり, リストバンドにバーコード化された患者ID番号を印字し, カルテおよび血液製剤をPIS携帯端末により処置前に照合確認する. 手術室へ患者入室時にリストバンドとカルテの照合確認, 輸血時にリストバンドと血液製剤の照合確認をすることで, 患者血液製剤の取り違えを防ぎ, より安全な輸血療法を実現可能とするものである.
ISSN:1345-4676