P-60)濃厚赤血球の多核白血球のcytotoxicityに対する影響

背景:保存血はその保存期間内にinflammatory mediatorsが産生され, 多臓器不全のindependent risk factorであることが報告されている. したがって, 多臓器不全の発現に関与する多核白血球のcytotoxicityに対する濃厚赤血球の影響について検討した. 方法:ヒトから分離された好中球は3週間保存された濃厚赤血球の2~20単位に等しい濃度の血漿成分で5分間刺激され, 1μMのfMLP(formylmethionyl-leucyl-phenylalanine)で活性化された. 同様に, 好中球は1~5週間保存された濃厚赤血球の10単位に等しい濃度の血漿成分...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 652
Main Authors 相星淳一, 小野寺謙吾, 柿沼敏行, 久志本成樹, 山本保博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2002
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ISSN1345-4676

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Summary:背景:保存血はその保存期間内にinflammatory mediatorsが産生され, 多臓器不全のindependent risk factorであることが報告されている. したがって, 多臓器不全の発現に関与する多核白血球のcytotoxicityに対する濃厚赤血球の影響について検討した. 方法:ヒトから分離された好中球は3週間保存された濃厚赤血球の2~20単位に等しい濃度の血漿成分で5分間刺激され, 1μMのfMLP(formylmethionyl-leucyl-phenylalanine)で活性化された. 同様に, 好中球は1~5週間保存された濃厚赤血球の10単位に等しい濃度の血漿成分で刺激後にfMLPで活性化された. また, この血漿成分と代表的なpriming物質であるplatelet activating factor(PAF)が相加的なpriming効果を示すか検討するため, 好中球を血漿成分とPAFで同時に刺激し, その後fMLPで活性化した. 結果:5単位以上あるいは3週間以上保存された濃厚赤血球の血漿成分は明らかなpriming効果を示す. また, 血漿成分はPAFと相加的に好中球をprimingした. 結語:多核白血球をprimingする長期保存あるいは大量の輸血は集中治療領域での多臓器不全の発現機序の一つになりうる.
ISSN:1345-4676