P-48)III度熱傷に重症熱中症を合併した1例
52歳の男性. 飲酒後サウナに入り, そのまま就寝した模様で, 倒れているのを発見され, 救急車で当救命救急センターに搬送された. 来院時意識levelはGCS3, BP36mmHg, HR160, RR160, BT40.5℃であった. 瞳孔は3/4と左右不同, 対光反射は両眼消失. 血液ガスデータは著明な代謝性アシドーシスを認め, 血液データはGOT91, GPT63, LDH576, CK1,114, BUN13.1, Cre1.2であった. さらに左下肢外側~臀部にIII度熱傷計10%を伴っていた. 熱中症と診断し, 大量輸液を行い, 人工呼吸管理とし持続血液濾過透析(CHDF)を導入...
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Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 649 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2002
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Summary: | 52歳の男性. 飲酒後サウナに入り, そのまま就寝した模様で, 倒れているのを発見され, 救急車で当救命救急センターに搬送された. 来院時意識levelはGCS3, BP36mmHg, HR160, RR160, BT40.5℃であった. 瞳孔は3/4と左右不同, 対光反射は両眼消失. 血液ガスデータは著明な代謝性アシドーシスを認め, 血液データはGOT91, GPT63, LDH576, CK1,114, BUN13.1, Cre1.2であった. さらに左下肢外側~臀部にIII度熱傷計10%を伴っていた. 熱中症と診断し, 大量輸液を行い, 人工呼吸管理とし持続血液濾過透析(CHDF)を導入. しかし翌日, GOT6,967, GPT2,510, CK19,741, MB>3,000以上と更に上昇し, 血小板3.6, PTINR>5, APTT>180, ATIII67, Fib67, FDP>168とDICを併発した. カテコールアミン(DOA, DOB, NAD)にて血圧は100前後にまで上昇したが各種薬剤やorgan supportにも関わらず病態の改善は認めなかった. 出血傾向が改善した第16, 病日, III度熱傷部の感染傾向を認めデブリドメンを行ったが, 全身状態の改善は得られなかった. 現在, 肝筋酵素は改善を認め, 下肢の熱傷に対し処置を行い, CHDF, 人工呼吸管理にて全身状態の改善を図っている. |
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ISSN: | 1345-4676 |