P-47)PRSPによる急性中耳炎および乳様突起炎の1例

症例:1歳男児. 発熱, 鼻汁, 咳嗽を主訴に小児科を受診した. 咽頭炎の診断でMINOを処方したが, 同時に左耳の血性耳漏を認めたため耳鼻科受診を指示した. 一旦解熱したため, そのまま自宅で経過をみていたが, 4日後に左耳周囲の腫脹が出現したため再受診した. 末梢白血球数13,000/μl, 血清CRP値は13.0mg/dlと上昇していたため, 急性中耳炎および乳様突起炎の診断で入院治療とした. 入院後, PAPM/BPによる治療を開始し, 臨床症状は速やかに改善した. 耳漏および鼻汁培養でPRSPが検出された. 考察:近年PRSPによる気道感染症は増加してきており, 本症例のように重症化...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 649
Main Authors 新藤史子, 千葉隆, 大久保隆志, 高瀬真人, 飛田正俊, 富山俊一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2002
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ISSN1345-4676

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Summary:症例:1歳男児. 発熱, 鼻汁, 咳嗽を主訴に小児科を受診した. 咽頭炎の診断でMINOを処方したが, 同時に左耳の血性耳漏を認めたため耳鼻科受診を指示した. 一旦解熱したため, そのまま自宅で経過をみていたが, 4日後に左耳周囲の腫脹が出現したため再受診した. 末梢白血球数13,000/μl, 血清CRP値は13.0mg/dlと上昇していたため, 急性中耳炎および乳様突起炎の診断で入院治療とした. 入院後, PAPM/BPによる治療を開始し, 臨床症状は速やかに改善した. 耳漏および鼻汁培養でPRSPが検出された. 考察:近年PRSPによる気道感染症は増加してきており, 本症例のように重症化する例もみられる. 抗菌剤の選択には十分な配慮が必要である.
ISSN:1345-4676