P-41)千葉北総病院における肺炎球菌(PSSP・PISP・PRSP)の検出状況について

目的:近年, 肺炎球菌のペニシリン耐性株(PRSP), 中等度耐性株(PISP)が増加傾向にあるとされ問題となっている. そこで, 当院におけるPISP, PRSPの検出状況について集計したので報告する. 対象および方法:2001年9月より2002年6月までに当院において入院および外来患者より分離された肺炎球菌(同一患者同一検体を含まない)を対象とし, 材料別にPSSP, PISP, PRSPの検出頻度を集計した. 結果:期間中に検出された肺炎球菌は184株であり, その内訳はPSSP41株(22%), PISP80株(44%), PRSP63株(34%)であった. 材料別では, 喀痰38株中...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 647
Main Authors 大崎恵理子, 原口友子, 岡本直人, 柳下照子, 飯野幸永, 水野杏一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2002
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ISSN1345-4676

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Summary:目的:近年, 肺炎球菌のペニシリン耐性株(PRSP), 中等度耐性株(PISP)が増加傾向にあるとされ問題となっている. そこで, 当院におけるPISP, PRSPの検出状況について集計したので報告する. 対象および方法:2001年9月より2002年6月までに当院において入院および外来患者より分離された肺炎球菌(同一患者同一検体を含まない)を対象とし, 材料別にPSSP, PISP, PRSPの検出頻度を集計した. 結果:期間中に検出された肺炎球菌は184株であり, その内訳はPSSP41株(22%), PISP80株(44%), PRSP63株(34%)であった. 材料別では, 喀痰38株中PSSP13株(34%), PISP13株(34%), PRSP12株(32%). 咽頭粘液60株中PSSP7株(12%), PISP29株(48%), PRSP24株(40%). 鼻腔粘液52株中PSSP7株(13%), PISP27株(52%), PRSP18株(35%). 耳漏13株中PSSP3株(23%), PISP4株(31%), PRSP6株(46%). その他の材料21株中PSSP11株(52%), PISP7株(33%), PRSP3株(14%)という結果が得られた. 考察:呼吸器系材料ではPISP, PRSPの検出率が高く, その他の材料ではPSSPが優位を示した. 呼吸器系材料以外でも今後耐性化していく可能性が示唆され, 肺炎球菌の動向に注意が必要であり, さらにデーターを蓄積し解析していく予定である.
ISSN:1345-4676