P-22)第二病院職員におけるABI,baPWV測定報告(第1報

目的:今回我々は, 粥状硬化症による閉塞性動脈硬化(ASO)の早期診断と動脈硬化の指標に利用されている足間接上腕血圧比(Ankle Brachial Pressure Index:ABI), 脈波伝播速度(Pulse Wave Velocity:baPWV)を測定する機会を得たので報告する. 対象方法:当院職員77名(21歳~62歳), 男性39名, 女性38名を対象とし, 日本コーリン社製血圧脈波検査装置formPWV/ABIを使用しABI, baPWVを測定した. ABIは基準値0.9~1.3を参考値として0.9以下の場合, 数値が低いほど動脈が閉塞しているとした. baPWVは基準値を1...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 642
Main Authors 越谷美由紀, 西島美輝子, 山賀節子, 隠岐和美, 鈴木久美, 荒井誠一, 渡部紀子, 高久貴子, 新宅孝征, 松岡和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2002
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ISSN1345-4676

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Summary:目的:今回我々は, 粥状硬化症による閉塞性動脈硬化(ASO)の早期診断と動脈硬化の指標に利用されている足間接上腕血圧比(Ankle Brachial Pressure Index:ABI), 脈波伝播速度(Pulse Wave Velocity:baPWV)を測定する機会を得たので報告する. 対象方法:当院職員77名(21歳~62歳), 男性39名, 女性38名を対象とし, 日本コーリン社製血圧脈波検査装置formPWV/ABIを使用しABI, baPWVを測定した. ABIは基準値0.9~1.3を参考値として0.9以下の場合, 数値が低いほど動脈が閉塞しているとした. baPWVは基準値を1,400cm/secとし, これを越え数値が上昇するほど動脈硬化度が高いとする. 結果:同一再現性, 日差再現性を検討したが, 血圧高値者でのバラツキが大きかった. ABIの平均は1.10で0.9以下はなかった. baPWVの平均は男性1,431cm/sec, 女性1,150cm/secであり, 女性では加齢, 高血圧になるほど高値となる傾向があり, 男性では平均が基準値を超えたが年齢, 血圧による有意差は認められなかった. 考察:動脈硬化は脳血管障害, 虚血性心疾患, 腎疾患のリスクファクターであり, 無症候性の動脈硬化の早期診断が重要と思われる. 検査は簡易で非侵襲的であり, 保険点数の適応もあるので多人数を対象としたスクリーニングに適し動脈硬化診断に有用であると思われるが, 再現性の問題もあり, 今後さらなる検討が必要と思われる.
ISSN:1345-4676