10)看護・介護労働者の腰痛アンケート調査における腰痛評価法の検討

目的:腰痛を評価する基準には痛みの強さをVisual anlogue scale(以下VAS)を用いて評価する方法と日常生活動作の障害の程度で評価するRoland and Morrisの方法がある. 今回両方法に相関が見られるかを検討し, 腰痛評価の指標として利用が可能かを検討することを目的とした. 対象および方法:病院および介護施設46施設に勤務する看護従事者と介護従事者に腰痛に関するアンケート用紙を送付し回答を求めた. アンケート実施の前一週間以内に腰痛があったと回答したものに対してVASとRoland and Morrisのスコアを算出し統計学的に解析した. 結果および考察:回答の総数は...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 629
Main Authors 今野俊介, 宮本雅史, 元文芳和, 白井康正, 伊藤博元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2002
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ISSN1345-4676

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Summary:目的:腰痛を評価する基準には痛みの強さをVisual anlogue scale(以下VAS)を用いて評価する方法と日常生活動作の障害の程度で評価するRoland and Morrisの方法がある. 今回両方法に相関が見られるかを検討し, 腰痛評価の指標として利用が可能かを検討することを目的とした. 対象および方法:病院および介護施設46施設に勤務する看護従事者と介護従事者に腰痛に関するアンケート用紙を送付し回答を求めた. アンケート実施の前一週間以内に腰痛があったと回答したものに対してVASとRoland and Morrisのスコアを算出し統計学的に解析した. 結果および考察:回答の総数は2914通で回収率は91%であった. 調査前の一週間以内に腰痛があったと回答したものは1,338名で, 回答者の45.9%だった. 回答者のVASは平均5.12(標準偏差2.21), Roiand and Morrisのスコアは平均2.36(標準偏差2.38)であった. 両者のSpearmanの相関係数は0.351で有意な正の相関が認められた. 今回の検討でVASにより定量化した腰痛の強さとRoland and Morrisのスコアで現される日常生活動作の障害の強さとの間で相関を認め両者が腰痛による障害を評価する際の有用な指標であると考えた.
ISSN:1345-4676