12)サプレッション・バーストを伴う早期乳児てんかん性脳症(EIEE)の1例

はじめに:EIEE(大田原症候群)は新生児期に発症し, 短いtonic spasmsを主徴とし時に部分発作を伴う極めて難治なてんかん特殊型であり, 著しい早期発症と, 発作が覚醒睡眠時を問わず認められ, ACTHが効かず極めて予後が不良で, 脳波上覚醒睡眠時を問わずsuppression-burst patternを認める, 年令依存性てんかんである. 今回私達が経験したEIEEの一例を報告する. 症例:1歳女児. 家族歴はなし. 在胎40週6日, 出生時体重3, 046g, 正常分娩で出生. 分娩時, 周産期に異常なし. ガスリー検査等マススクリーニング検査は正常. 生後1週頃から上下肢のけ...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 4; p. 399
Main Authors 桑原健太郎, 黒田奈緒, 小林朋子, 上砂光裕, 今井大洋, 土屋正己, 藤野修, 馬場千晶, 浅野ありさ, 福永慶隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2002
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Summary:はじめに:EIEE(大田原症候群)は新生児期に発症し, 短いtonic spasmsを主徴とし時に部分発作を伴う極めて難治なてんかん特殊型であり, 著しい早期発症と, 発作が覚醒睡眠時を問わず認められ, ACTHが効かず極めて予後が不良で, 脳波上覚醒睡眠時を問わずsuppression-burst patternを認める, 年令依存性てんかんである. 今回私達が経験したEIEEの一例を報告する. 症例:1歳女児. 家族歴はなし. 在胎40週6日, 出生時体重3, 046g, 正常分娩で出生. 分娩時, 周産期に異常なし. ガスリー検査等マススクリーニング検査は正常. 生後1週頃から上下肢のけいれん発作がみられ, 生後1ヵ月頃から睡眠中や哺乳中に後ろに反り返る様子がみられた. 生後1ヵ月半で小児科神経外来を初診. 眼球を上転して四肢をふりあげて体をピクつかせた後, 後弓反張する2~3分の発作が, 1~2時間にわたりシリーズ形成していた. また顔をしかめ口をくちゃくちゃ動かしたり, 右優位に眼球を動かす様子もみられた. 生後2ヵ月の脳波では睡眠時覚醒時を問わず, 1秒から3秒くらいのburstと, 3秒から6秒のsuppressionが交代性に, 8秒から9秒のburst-burst間隔で規則正しい周期で出現しておりEIEEと診断した. 患児の痙攣発作はクロバザム, バルプロ酸ナトリウム, フェノバルビタールの三剤内服でコントロールされた.
ISSN:1345-4676
1347-3409