P-18)心臓リハビリテーション施行中の心筋梗塞患者におけるビタミンC血中濃度と影響をおよぼす因子
目的:心筋梗塞患者を対象とした心臓リハビリテーション実施にあたり, 動脈硬化の進行を防ぐための対策は包括的リハビリテーションの一環として重要である. 抗酸化物質摂取は血管内皮機能の改善や酸化LDL生成阻害等の作用を介し動脈硬化を予防すると考えられている. 本研究は抗酸化物質としてビタミンC(VitC)に注目し, 心臓リハビリテーションを行っている心筋梗塞患者の血中VitC濃度を測定し, それに影響を及ほす摂取量などの因子を検討した. 対象と方法:対象は, 心筋梗塞のため当院外来において心臓リハビリテーション施行中の6例(56±13歳)と, 健常者5例(34±9歳). 食事内容を一週間以上記載さ...
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Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 68; no. 6; p. 577 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2001
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ISSN | 1345-4676 |
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Summary: | 目的:心筋梗塞患者を対象とした心臓リハビリテーション実施にあたり, 動脈硬化の進行を防ぐための対策は包括的リハビリテーションの一環として重要である. 抗酸化物質摂取は血管内皮機能の改善や酸化LDL生成阻害等の作用を介し動脈硬化を予防すると考えられている. 本研究は抗酸化物質としてビタミンC(VitC)に注目し, 心臓リハビリテーションを行っている心筋梗塞患者の血中VitC濃度を測定し, それに影響を及ほす摂取量などの因子を検討した. 対象と方法:対象は, 心筋梗塞のため当院外来において心臓リハビリテーション施行中の6例(56±13歳)と, 健常者5例(34±9歳). 食事内容を一週間以上記載させVitC平均摂取量を算出. 血清ビタミンC濃度は一週間の間隔をあけ2回測定した. 結果:平均VitC摂取量は退院後心筋梗塞例134.8±84.6mg/dayが健常者89.3±76.1mg/dayに比し多く摂っていたが, 血清VitC濃度は心筋梗塞例5.0±1.9μg/mlが健常者10.9±2.5μg/mlに比し有意に低値であり, 両群とも2回の測定値の間に再現性があった. 血中濃度は同程度の摂取量でも, 高齢者, 糖尿病合併例, 特に喫煙例において著しく低下していた. 考案:VitCは高齢, 喫煙, 糖尿病によって代謝回転が速くなり, 吸収も阻害され, 血清濃度が低くなる事がわかっており, 本研究も摂取量のみに規定されない結果となった. 以上より心筋梗塞患者におけるVitCは, 摂取を促すだけではなく, 生活習慣の改善を充分に行わなければその効果を期待できないと考えられた. |
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ISSN: | 1345-4676 |