P-48)当科における腹腔鏡補助下大腸切除術の検討

目的:当科では1993年より腹腔鏡補助下大腸切除術を導入した. 同手術30症例(腹腔鏡群)と同時期における開腹手術393例(開腹群)を比較検討した. 結果:腹腔鏡群で手術時間は長かったが, 術中出血量は少なく, 早期に術後排ガスが見られ経口摂取が可能であった. 術後の入院日数も短い傾向にあった. D3郭清が可能な盲腸, 左側結腸において, 郭清リンパ節個数は両群間に差はなかった. 合併症は両群間に差はなかったが, 腹腔鏡群に特徴的なものも認められ, 今後の検討を要すると思われた. 腹腔鏡群のport site recurrenceは認めていない. 結語:腔鏡補助下大腸切除術を良性疾患, 早期癌...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 67; no. 6; p. 526
Main Authors 寺本忠, 江上格, 松島申治, 渡邊秀裕, 和田雅世, 山本英希, 宮本昌之, 飯田信也, 鈴木成治, 藤田逸郎, 中村慶春, 池田研吾, 石塚朋樹, 山村進, 萩原信敏, 吉岡正智, 恩田昌彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2000
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ISSN1345-4676

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Summary:目的:当科では1993年より腹腔鏡補助下大腸切除術を導入した. 同手術30症例(腹腔鏡群)と同時期における開腹手術393例(開腹群)を比較検討した. 結果:腹腔鏡群で手術時間は長かったが, 術中出血量は少なく, 早期に術後排ガスが見られ経口摂取が可能であった. 術後の入院日数も短い傾向にあった. D3郭清が可能な盲腸, 左側結腸において, 郭清リンパ節個数は両群間に差はなかった. 合併症は両群間に差はなかったが, 腹腔鏡群に特徴的なものも認められ, 今後の検討を要すると思われた. 腹腔鏡群のport site recurrenceは認めていない. 結語:腔鏡補助下大腸切除術を良性疾患, 早期癌に加えて進行癌にも施行しているが, 病変の占拠部位, 患者の肥満度など, 適応症例の選択が重要と思われる. また, 漿膜浸潤癌に対する腹腔鏡下手術の妥当性を検討する目的で術中腹腔洗浄細胞診, port siteの擦過細胞診を試みている.
ISSN:1345-4676