5)21世紀における日本医科大学の医療の情報化の可能性

1993年, 日本医科大学をインターネットへ接続してから, 足かけ5年が経過した. 現在のインターネットの普及状況は夢の様である. 情報通信を通じて社会生活の変革が始まり, 多くの分野でビックバンとして大競争社会が始まっている. 種々の産業で効率化が行われ, 対応出来ない企業は没落して行かざるを得ない. この動向は, 本来効率だけがすべてでは無い筈の大学, 医療へも押し寄せてくるだろう. 少子高齢化社会を迎える日本において, 医療における情報化は効率化と福祉の充実を目的として, 遠隔診療, 電子カルテ, 遠隔在宅ケアなど大きな期待をもって語られている. 「遠隔診療」は昨年12月24日, 厚生省...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 65; no. 4; p. 337
Main Author 伊藤高司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 1998
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Summary:1993年, 日本医科大学をインターネットへ接続してから, 足かけ5年が経過した. 現在のインターネットの普及状況は夢の様である. 情報通信を通じて社会生活の変革が始まり, 多くの分野でビックバンとして大競争社会が始まっている. 種々の産業で効率化が行われ, 対応出来ない企業は没落して行かざるを得ない. この動向は, 本来効率だけがすべてでは無い筈の大学, 医療へも押し寄せてくるだろう. 少子高齢化社会を迎える日本において, 医療における情報化は効率化と福祉の充実を目的として, 遠隔診療, 電子カルテ, 遠隔在宅ケアなど大きな期待をもって語られている. 「遠隔診療」は昨年12月24日, 厚生省から「通知」として見解が示され, 限定はあるものの, 「診療」の中に位置づげられた. これを契機に国内で医療の情報化の第一歩として「遠隔診療」は実用化, 普及へ弾みがつき, 意欲的な事業が展開されるであろう. 今後の「電子カルテ」「遠隔在宅ケア」の法的認知, 普及に際しても, 重要な前例となるはずである. このような現在の動向と技術的問題および社会的問題点を簡単に述べ, 間近にせまった21世紀にむけて, 日本医科大学における「医療と情報」関連の可能性と夢を提示し, ご意見を承りたい.
ISSN:1345-4676
1347-3409